PRODUCT製品紹介:Autodesk Fusion(Fusion360)コラム記事
Autodesk Fusion (Fusion360)で歯車を簡単に作る方法噛み合わせて回転させるには?
最終更新日:2024.11.26 / 公開日:2020.12.01
Autodesk Fusion (Fusion360)には、簡単に歯車を作り、かつそれぞれを噛み合わせて回転させられる機能があります。複雑な形状のものでなければ、アドインを使うと数クリックで生成可能。その後、それぞれを組み合わせて回転するのも、正しい手順を踏めば難しくはありません。
こちらでは、Autodesk Fusion (Fusion360)における歯車の生成や回転の具体的な手順について解説を行います。3DCADで歯車を作りたいと思っている方は、ぜひチェックしてください。
目次
Autodesk Fusion (Fusion360)での歯車の作り方
Fusionで歯車を作るにはいくつかの方法があります。細かな設定をしたいのであれば、歯車設計専用のソフトでDXFファイルなどを書き出し、Autodesk Fusion (Fusion360)で読み込んでからモデリングを行います。
一方、平歯車であればアドイン(※)を用いるのが簡単で便利です。以下では、Autodesk Fusion (Fusion360)にはじめから搭載されている「Spur Gear」を用いた歯車の作り方を解説します。
※Autodesk Fusion (Fusion360)のアドインとは事前に用意されているスクリプトデータ(プログラム)のこと
歯車の生成が可能なアドイン
「Spur Gear(スパーギア)」
「Spur Gear(スパーギア)」はAutodesk Fusion (Fusion360)にはじめから入っている歯車作成のためのアドインです。比較的単純な歯車の作成に向いていますが、歯の大きさや数、ボディの厚さなどのパラメータを指定できます。また、これらを設定するだけで自動的に歯車が生成できるのが特長です。
「Spur Gear」を実行するためには、以下の手順を踏みます。
- 1.「ツール」タブを開く
- 2.「アドイン▼」をクリックし、「スクリプトとアドイン」を選ぶ
- 3.サンプルスクリプトフォルダの中にある「Spur Gear」(下側)を選択し、右下の「▶実行」ボタンをクリックする
- 4.画面右側に「Spur Gear」の設定ウィンドウが表示されます
「Spur Gear」を使用した歯車の作成・設定方法
「Spur Gear」の設定ウィンドウに数値を入れて「OK」をクリックすると、即時に歯車のモデルが生成されます。
ウィンドウの項目 | 意味・入力する内容 |
---|---|
Standard | 歯車の規格を設定する項目。「Metric」と「English」の2種類があるが、後者は単位がインチになるため、mmを使うには前者を選択する。 |
Pressure Angle | 歯の角度(圧力角)。原則デフォルトの20degで構わないが値を大きくすると歯の角の形状が丸くなる。 |
Module | 歯車の大きさの比率。ピッチ円の直径を歯の数で割った値になる。歯車同士を噛み合わせるにはこの値を同じにしなくてはならない。 |
Number of Teeth | 歯の数。ピッチ円の直径はモジュールと歯の数によって決定される。歯車の大きさに関わる値でもある。 |
Backlash | "遊び"の部分。バックラッシュとも呼ばれる。値を大きくすると歯が細くなる。 |
Root Fillet Radius | フィレット(歯の根元に適用される)の半径を指定する箇所。デフォルト値のままモジュールを小さくしすぎるとエラーが出るため、この値を小さくする。 |
Gear Thickness | 歯車の厚みを指定する。 |
Hole Diameter | 歯車の中心の穴の直径を指定する。 |
Pitch Diameter | 歯車の直径。歯の数とモジュールによって自動計算がされる。 |
Autodesk Fusion (Fusion360)で
歯車を2つ作成し、回転させる方法
Autodesk Fusion (Fusion360)で作成した歯車は回転できます。2個の歯車を組み合わせて回転することも可能。以下から、歯車の噛み合わせ方や回転方法について解説します。
2つの歯車を噛み合わせる
まずは前項の手順で歯車をふたつ作成します。この際に注意したいのが「Module」の値です。歯車の設定ウィンドウの説明にあるように、もジュールとは「ピッチ円の直径÷歯の数」です。この値が異なると、歯車が噛み合いません。
歯車の作成が完了したら、次に位置の調整です。それぞれを噛み合わせるために、片方を移動させます。まずは「ソリッド」タブ内の「修正▼」をクリックし、その中の「移動/コピー」を選択しましょう。
なお、右側に設定が出るので、「オブジェクトを移動」を「コンポーネント」にします。なお、基点(ピボット)が歯車の中心になるよう調整をしてください。あとは位置を直接入力する、もしくはマウスで動かして歯車を噛み合わせます。
コンポーネント化とジョイント
続いてジョイントを使った回転です。歯車を動かすには、真ん中の穴に軸を入れる必要があるので、サイズを合わせた円柱を作ります。なお、「押し出し」で作ると簡単です。
その後、円柱のボディをコンポーネントに変換します。やり方はいくつかありますが、今回は円柱のボディを右クリックし、その中の「ボディからコンポーネント作成」を使います。あとは位置固定ジョイントを使って軸と歯車に対し「回転」を適用します。
歯車同士を組み合わせて回転させる
今回は回転の方法をふたつご紹介します。
ひとつはモーションリンクを使った方法です。「アセンブリ▼」の中の「モーションリンク」を選択して、軸と歯車に適用済みの「回転」を「ジョイント」に適用してください。その後、片方の歯車の「モーションリンク」の「反転」を適用します。これで、片方の歯車を回転させると、それぞれの回転もはじまります。
なお、歯車の数によって設定は変わります。たとえば大きい歯車と小さい歯車を組み合わせるようなケースでは、大きい歯車が一回転した際に、小さい歯車が何回転するのかなどを計算して、「角度」の欄を調整しましょう。
もうひとつの方法はモーションスタディを使う方法です。まずは「アセンブリ▼」の中の「モーションスタディ」を選択してください。その後、ステップ数「100」の位置で歯車が回りきるポイント(360 deg)を追加してください。あとは再生をクリックすると、歯車が回り出します。
なお、レンダリングモードを使えばモーションスタディの内容を動画にしてダウンロード・保存できます。レンダリングには少し時間がかかりますが、ぜひ活用してください。
歯車作成・回転のコツもフアクトにお任せ
Autodesk Fusion (Fusion360)による歯車の生成および回転は、一度手順を覚えれば難なく行える操作です。ただし、とくに回転については、「スケッチ」や「押し出し」など、基本的な操作方法を分かっていないと難しいかもしれません。
当社であれば、Autodesk Fusion (Fusion360)導入後の徹底サポートをご提供できます。インストールの方法はもちろん、細かな操作説明まですべてお任せください。なお、FAX・電話・メール等を用いたリモートによるテクニカルサポートもあるので、いつでも気軽にご相談いただけます。Autodesk Fusion (Fusion360)のことなら、フアクトまで。