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2次元CADと3次元CADの違い。使い分ける際のポイントとは?

最終更新日:2024.05.24 / 公開日:2019.08.08

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製品を定義するためには部品の形状や材質をはじめ、組み合わせた部品が設計的に問題ないかなどの検証が必要です。CADは試作前に製品の成立性を確認できるもので、もの作りに欠かせません。CADには平面情報を扱う2次元(2D)CADと3次元(3D)CADがあります。それぞれに使える機能やコストなどが異なるため、よりニーズにあったCADソフトを選ぶのがおすすめです。この記事では2次元(2D)CAD3次元(3D)CADとの違いをはじめ使い分けのポイントおすすめのCADソフトウェアについて紹介します。

2次元CADと3次元CADの主な違い

2次元CADの特徴

2次元CADは立体の形状を紙面など平らな場所に表現するもので、部品1点について必ず1枚作成されます。正面図平面図側面図など縦横の2軸で定義した視点からみたときの形状を図面に起こして表現します。図面を作成する際は第三角法/第一角法の使い分けや裏側の形状を点線で表現するなど作図ルールが細かく定められています。試作品を作成する際は作成した図面の情報をもとに加工方法や切削データなどを準備して実際の加工を行います。また、図面を読み取る際は平面の情報をもとに頭の中で立体を組み立てていきます。このように2次元CADの場合、図面化そのものの難易度に加え読み取る難易度も高く、正しく理解できるようになるのに時間がかかります。

3次元CADの特徴

3次元CADはXYZ軸など3軸を基準として立体的に形状を作成します。データは回転して任意の視点で見たり、ある部分を外して内部の構造を確認したりできるので、複雑な形状も視覚的に捉えやすいという特徴があります。形状はデータを軽量化して概要をさっと知りたい場合にはワイヤーフレーム、実際の形状を分かりやすく表示するのであればソリッド、サーフェスと使い分けて使用できます。モデリングで形状作成する場合は、形状を定義して肉付けをするなど色々な機能を使い分けるため、作成の仕方を習得するために時間がかかる傾向があります。試作品を作る際、3Dプリンターなどの造形機が利用できる場合は、3次元データをそのまま読み込んで試作品が作れます。

2次元CADと3次元CADを使い分ける際のポイント

それぞれの特徴を踏まえて選ぶ

・2次元CADのメリット

3次元CADで立体を組み立てるには慣れていないと時間がかかります。そのため単純な形状であれば2次元CADだけで図面を作成しても構いません。特に営業部門や生産工場などCADがない場所で打ち合わせをしたい場合には、簡単に持ち運べて直接書き込める紙図面があると便利です。

・3次元CADのメリット

金型作成に3次元CADのデータが使える場合は、2次元CADで作成した図面をもとに金型を作るよりも短期間で正確に試作品が作れます。また実際の試作品を作る前にパソコン上で体積確認、干渉チェックなど設計の成立性の解析ができます。特にCAEを使って評価する場合には、3次元データが不可欠です。また、一度3次元CADで形状を作成しておけば、そこから簡単に2次元図面に形状が投影できます。3次元で修正した内容を自動的に図面に反映できるCADもあるため、図面の修正漏れリスクを大幅に削減できるでしょう。

自社の環境によって使い分ける

複雑な自由曲面を使った部品や、形状が入り組んでいる部品、複数の部品を組み立てて構成が複雑な部品を作成する場合には、サーフェスの演算もできるハイスペックな3次元CADがあると便利です。しかしプレス部品のように平面的に見ても判断しやすい部品であれば2次元CADでも十分に対応できます。3次元CADは色々な機能がついているものの、ハイスペックなパソコンが必要になるほか高価なライセンス料がかかるのが一般的です。

そのため、客先で使っているCADのシステムや設計現場でどんな機能が必要なのかを考慮して最適なCADを導入するのがおすすめです。

おすすめのフアクト製品

Autodesk Fusion (Fusion360)

・主な特徴

低価格でご利用可能な3DCAD/CAMです。クラウドベースのライセンス認証となり、データ保存も基本的にクラウドになります。(ローカル保存も可能です)ハードウェアキーやPC固定ライセンスでは無い為、インターネットが接続できる環境であれば、どのPCからでもAutodesk Fusion (Fusion360)がご利用できます。図面、アセンブリ、シートメタル、メッシュ編集やフォームに対応しており、低価格ながらも幅広い分野で活躍できるソフトウェアです。

BricsCAD

・主な特徴

AutoCADとの高い互換性をもつ2次元CADで、AutoCADの使用経験があればすぐに使えるようになります。dwgなど一般的な図面データの読み込みに対応していて、3次元から2次元への変換にも対応しています。
グレードをClassicからPro、Platinumにアップグレードするとソリッドやアセンブリモデリングのほか、3次元断面や3D幾何拘束に対応でき3次元CADとしても使用可能です。

また「Communicator」をオプション追加することで、IGES、STEPなど中間ファイルを使ったデータのやりとりをはじめ、CATIA、NX、SolidWorks、Inventorなどの読み込みに対応できるようになります。また、Windowsシステムであれば3D PDFやCATIAネイティブデータでの出力に対応しています。

ZW3D

・主な特徴

取り込んだデータを修復するヒーリング機能を標準搭載しているミッドレンジ3次元CADです。競合となるCADに比べると比較的価格が抑えられていて、導入しやすいメリットがあります。

形状の修正作業や多種のデータ入出力が可能で、3次元データから2次元図面への形状投影や設計変更の自動追従も可能です。主要CADとのダイレクトトランスレーター、STEPなど中間ファイル機能が利用でき3次元データ変換に優れているため取引先とのデータ授受に役立ちます。

SOLIDWORKS

・主な特徴

ミッドレンジではトップシェアを誇る3次元CADです。フィーチャーベースでモデリングをして、設計変更にも簡単に追従できます。また、部品作成だけでなくアセンブリの機能も豊富で、設計検証や組図作成、製図機能に活用できます。3D形状、図面、アセンブリに共通の形状が使えるため、データ連携もスムーズです。

さらに主要なCADデータや中間ファイルを直接読込むことができるので、他のデータ変換ツールの使用を抑えることが可能です。

FF/eye

・主な特徴

ハイエンド3次元CAD「NX」を搭載しています。組図や解析機能が特に優れており、3次元形状の設計変更については2次元へ自動追従できます。

キャビコア分割など金型作成用のモジュールやCAMのツールパス検討用のモジュールなどが選べるほか、サードパーティ製のソフトウェアも多数あります。

設計プロセスにあったCADを選ぼう

CADには2次元(2D)CADと3次元(3D)の2種類があります。それぞれのCADを比較する際は、3次元データを作成して複数の部品をアセンブリできるのか、金型やCAMを作成するモジュールが必要かなどを確認しておくとよいでしょう。設計プロセスの都合2次元図面のデータが必ず必要という場合でも、3次元データをもとに2次元図面を自動更新できるCADも多いので、どのような拡張子のデータを取り扱うのか、CAD上で検討すべき内容は何かを踏まえてCADソフトウェアを選択するのがおすすめです。

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