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Autodesk Fusion (Fusion360)のスカルプトモードでモデリングする方法 基本操作と注意点
最終更新日:2024.11.26 / 公開日:2020.10.28
スカルプトモード(フォーム)とは、3DCADなどで自由曲面を作成する際に用いるモードです。スカルプト自体は「彫刻」という意味ですが、「粘土をこねるようにモデリングができる」と表現されることもあります。それだけ自由度の高いモデリングができる、という解釈で間違いありません。Autodesk Fusion (Fusion360)にも搭載されているので、ぜひ使いこなしましょう。
今回は、Autodesk Fusion (Fusion360)搭載のスカルプトモードの基本操作やモデリングの手順・方法、使用する際の注意点などをご紹介します。
目次
Autodesk Fusion (Fusion360)の
スカルプトモードとは?
まずは、Autodesk Fusion (Fusion360)に搭載されているスカルプトモードの特徴や基本的な使い方について解説します。
スカルプトモードの特徴
Autodesk Fusion (Fusion360)のスカルプトモードでは、Tスプラインというオブジェクトを使いモデリングを行います。作成されるのはサーフェイスモデリング(表面のみを定義した3次元構造のモデリング体系)で、形状がスムーズで滑らかになる処理が施されるのが特徴です。
スカルプトモードを使用すると、さまざまな形状を簡単に作れます。
- ● 直方体
- ● 平面
- ● 円柱
- ● 球
- ● トーラス
- ● クワッドボール(多面体で表現された、球体に近い形状、円形を追加したい場合に用いる) など
このような、曲面の多い工業製品はスカルプトモードの得意分野です。使いこなせるようになると、より複雑な形状のモデリングもできるようになります。
一方、きっちりと寸法が決められていたり、直線的なデザインだったりするものはスカルプトモードには向きません。また、3次元構造を線で表すワイヤーフレームモデルや、中身のあるソリッドモデルなどを作るのにも向いているとは言えないでしょう。
スカルプトモードの基本的な使い方
次に、Autodesk Fusion (Fusion360)におけるスカルプトモードの基本的な使い方の手順をご紹介します。
1.フォームを作成
まずは「ツールバー」の「シートメタル」タブ内にある紫色の立方体のマークをクリックします。なお、マウスオーバーで「フォームを作成」と表示されるのを確認してください。これで、スカルプトモードでモデリングをするための作業スペースに移動したことになります。
2.基本になる形状を選ぶ
ツールバーにはいくつかの立方体等が並んでいます。
- ● スケッチを作成
- ● 直方体
- ● 平面
- ● 円柱
- ● クワッドボール(多面体で表現された、球体に近い形状、円形を追加したい場合に用いる)
- ● 面
上記のなかから、これから作る形状の基本となるものを選びましょう。
3.基本形状を作成する平面を選択
前項で選んだ基本形状を作成する面を選びます。縦に置きたいのならX軸、横に寝かせたいのならYもしくZ軸といった具体に、選択してください。その後、中心点(原点)と寸法を決めたら、画面上に形状が描写されます。
4.フォームを修正する
ツールバーの中の「フォームを編集」の下部にある「修正」をクリックすると、フォーム修正のコマンド一覧が表示されます。
たとえばこのなかにある「フォームを編集」を選ぶと、作成した基本形状の面や線、点をマウスのドラッグで調整できるようになります。まさに粘土のように自在に形状を変化できます。
そのほかにも、エッジを挿入やブリッジ、折り目など、さまざまな修正コマンドがあります。
また、面をダブルクリックすると全体選択になります。そのほか、マニピュレータで移動・回転・スケールも可能です。
Autodesk Fusion (Fusion360)の
スカルプトモードを使った3Dモデルの作り方
ここからは、より具体的なスカルプトモードの使い方を解説していきます。例題として、今回はスプーンのモデリングにチャレンジしていきます。
1.平面の形状を作る
まずはスプーンの基になる「平面」を作ります。前述の操作に従い、「平面」というフォームを作成してください。寸法については任意ですが、今回は左右対称が望ましいので、「対称」を「ミラー」に設定します。
2.角を取る
「平面」は長方形になっており、角が尖っています。まずはこの角を取るために、修正コマンドの「折り目解除」で4つの角を対象として丸めます。
3.スプーンの形を整える
持ち手部分と先端部分の大まかな形を整えます。修正コマンドの「フォームを編集」を使って、持ち手は細く、サジは太く丸く変形させます。また、持ち手を少し上方向に持ち上げるようにしました。
4.サジのくぼみを作る
現状のサジは真っ直ぐな板の状態なので、ここにくぼみを付けます。修正コマンドの「エッジを挿入」を使い、その中央ポイントを掴んで下方向に下げると、サジができました。
5.厚みをつける
このままだとペラペラのスプーンなので「平面」に厚みをつけます。修正コマンドの「厚み」でスプーン全体を選択し、数ミリ程度上方向に持ち上げると厚みが出ます。
これで、スカルプトモードを使った一連のモデリングは完成です。なお実際には、この後にモデルモードでもう少し丸みを付けるなどして仕上げになります。
Autodesk Fusion (Fusion360)の
スカルプトモードの注意点
スカルプトモードを使用する際には、以下のようなポイントに注意しましょう。
面を数や位置をそろえる
スカルプトモードは自由度が高い分、操作次第で形状に歪みなどが発生しがちです。そこで注意したいのが「面の数・位置」です。
面の数や位置がずれると、形状の崩れにつながります。そのままだと面のねじれや自己交差などのエラーの原因になることも。スカルプトモードで作業をするときは、面の数および適切な位置を小まめにチェックしてください。
ピボットポイントの位置に気をつける
スカルプトモードでモデリングを行う場合、中心点がピボットポイントになるのが通常です。しかし、そのままだと操作に難があるケースも少なくありません。こうした際は、「ピボット設定」で位置を変更しましょう。なお、変更後は必ず「完了」ボタンをクリックして、設定を適用してください。
Autodesk Fusion (Fusion360)の
サポートならフアクト
スカルプトモードは自由度が高く、非常に便利な機能です。しかし、ソフトウェアを業務レベルで使いこなすのは容易とは言えません。
当社であれば、Autodesk Fusion (Fusion360)導入後のサポートも充実しております。電話、メール、FAXを使ったリモートサポートに対応。そのほかNCデータの編集設定アドバイスやモデリングサービスの割引などもご提供しております。
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