PRODUCT製品紹介:Autodesk Fusion(Fusion360)コラム記事

Autodesk Fusion (Fusion360)の特徴とCAM機能を利用するメリット

最終更新日:2024.11.27 / 公開日:2020.06.10

低価格で導入でき、かつ高機能な3次元CADソフトとして知られているAutodesk Fusion (Fusion360)ですが、実はCAD機能だけでなく、CAM機能も充実していることはご存知でしたか?

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フライスに対してはポケットや穴といった2次元加工だけでなく、滑らかな局面に対する3次元加工、さらには5軸加工に対してもツールパスを作成することができます。その他にも旋盤やレーザーカット、3Dプリンターに対してもツールパスを作成することもできます。

Autodesk Fusion (Fusion360)の
特徴とCAM機能を利用するメリット

Autodesk Fusion (Fusion360)には3次元CAD機能、CAM機能の他にも、CAEと呼ばれる解析機能、CG機能、3Dプリンター用データ作成機能も持ち併せている、守備範囲がとても広いという特徴があります。今回はこれらの機能のうち、CAM機能に注目してご紹介して参ります。

CAMとは、Computer Aided Manufacturingの頭文字をとったもので、工作機械を動かすためのプログラム(NCデータと言います)をコンピュータによって作成する製造支援ソフトを指します。一般的にはCAMソフトは、NC旋盤用CAMソフト、レーザー用CAMソフト、3Dプリンター用CAMソフトというように、ソフトによって対応する機械が異なるため、機械の種類ごとにCAMソフトを用意する必要があることが多いです。しかし上述の通り、Autodesk Fusion (Fusion360)はフライスだけでなく、NC旋盤、レーザーカット、3Dプリンターなど、それらの機械に全て対応していますので、このソフト一つでOKなのです。

Autodesk Fusion (Fusion360)の特徴

Autodesk Fusion (Fusion360)のCAD機能では3Dモデルの作成や設計ができ、CAEと呼ばれる解析機能では応力や変位を計算することができます。さらには、実際に製品になった時の外観イメージがしやすいレンダリング機能も備えています。 Autodesk Fusion (Fusion360)はクラウド型のCAD/CAMソフトなので、インターネットに接続できる環境があれば、ソフトウェアの更新やファイル共有をどこからでも行うことができますし、かつどこからでもアクセスしてソフトを使用することも可能です。 またAutodesk Fusion (Fusion360)は2次元加工・3次元加工・穴加工だけでなく、5軸加工にも対応しています。低価格でありながらこれだけ加工方法の選択ができるソフトは他にないと言っても過言ではないでしょう。

Autodesk Fusion (Fusion360)でCAM機能を
利用するメリット

CAMソフトでツールパスを作成する場合、一般的にはCADソフトで作成したデータを、CAMソフトに読み込み(変換)をしますが、ソフト同士の互換性がなくデータが読み込めないことや、もしくは読み込めたけれどもデータに抜けなどの不具合がある、といったことが起こる可能性は十分にあります。このような場合、担当者はデータの抜けがないか、形状は正しく読み込まれているかといった確認作業に時間を割かなければなりません。 しかし、Autodesk Fusion (Fusion360)の場合にはCADとCAMが一体になっていますから、そのような心配はありません。Autodesk Fusion (Fusion360)のCAD機能で製作したモデルデータを、Autodesk Fusion (Fusion360)のCAM作業スペースに切り替えるだけで済んでしまいます。このように同一ソフト上に両方の機能があることによって、CADモデルの形状や寸法に変更があった場合も、もう一度読み込んで確認作業に時間を取られる、といった必要はありません。Autodesk Fusion (Fusion360)ならCAM機能でツールパスを再計算するだけでNCデータを出力できます。

Autodesk Fusion (Fusion360)のCAM機能の使い方

Autodesk Fusion (Fusion360)でCAD機能およびCAM機能の両方が使えるメリットがおわかりいただけたかと思います。次は、どのように操作してAutodesk Fusion (Fusion360)のCAM機能を使うのかをご説明していきます。

Autodesk Fusion (Fusion360)はフライスだけでなく旋盤、レーザーなど様々な工作機械に対応していることは前述のとおりです。その中で、今回はフライスでのツールパス作成手順をご紹介します。

基本的な流れ

1. まずはCAD機能を使用してモデルデータを作成します。今回はCAM機能のご紹介なのでCAD機能でのモデル作成手順については割愛しますが、Autodesk Fusion (Fusion360)は他のCADで作成したモデルデータをインポートし流用することも可能です。DXFやDWGといった2次元CADデータを使用してモデリングに利用することもできますし、ParasolidやSTEPのような3次元CADデータを使用してツールパスの作成や治具設定に役立てることができます。

2. 3次元CADモデルが出来上がったら(インポートしたら)、ツールバーの作業スペースを「製造」へ切り替えます。このようにワンボタンでCAM機能へ切り替えることができます。

3. 次に、加工原点(セットアップ)や素材(ワーク)の大きさを設定します。

4. 次に加工する箇所を指定し、ポケット加工や穴加工といった加工方法、エンドミルやドリルといった加工に使用する工具を選択し、切削条件を設定すると、ツールパスが作成されます。

5. ツールバーの「アクション」の中にある「シミュレーション」でツールパスを確認します。Autodesk Fusion (Fusion360)のシミュレーションでは単に工具の動きを確認できるだけでなく、ワークとの干渉チェックもできます。さらに材質を選択することで、より最終製品イメージに近い形でシミュレーションを行なうことができます。

6. 最後に「ポスト処理」を選び、ご使用になる工作機械に合わせたポストプロセッサでNCデータに変換・出力します。

多様な加工の設定方法

・2D加工

2次元ポケット加工や穴加工など、主に平面的なものを削る際に使用します。
「2D負荷制御」パスを使用すると、工具径に応じ負荷がかかりにくいツールパスを自動で計算してくれます。その他にも「2D輪郭」「2Dポケット」「スロット」など、様々な加工方法が用意されています。

・3D加工

なめらかな曲面には、3次元加工のパスを作成します。「負荷制御」パスを使用すると、2D加工と同じように、工具径に応じ負荷がかかりにくいツールパスを自動で計算してくれます。その他にも「走査線」「等高線」「ペンシル」など、こちらも様々な加工方法が用意されています。

・穴加工

穴加工を行なう際には「ドリル」を選択します。「同じ直径を選択」のスイッチを使用すると、同一径の穴を全て選択してくれるので、穴位置を一つ一つクリックして選ぶ必要はありません。
また、別途Flexトークン購入で使用可能になる「Machining Extension」を利用すると、穴径が複数種類あるモデルにおいてもワンクリックで穴認識できるため、より穴加工設定の効率化が図れます。

Autodesk Fusion (Fusion360)でCAM機能を使うときのポイント

ここでは、Autodesk Fusion (Fusion360)のCAM機能を使用するにあたってのポイントをご紹介します。

座標系の初期設定を変更する

Autodesk Fusion (Fusion360)の座標系は、初期値ではY軸が高さ方向に設定されています。使用する工作機械の高さ方向がZ軸になっている場合、「基本設定」の中にある「既定のモデリング方向」を「Z(上方向)」に変更しておくことで、その後の手間を省くことができます。
他にも「基本設定」をご使用される環境に合わせておくことで、よりNCデータを作成する時間を減らすことが可能です。

加工前に加工原点を確認する

CAM機能で設定した加工原点の位置座標と、実際に使用される工作機械での加工原点の位置座標に差異があると、意図した位置に工具が動かない為、思うような加工結果が得られません。CAMソフト側で設定した加工原点位置と、工作機械側の加工原点位置を一致させてツールパスを作成することが重要です。
Autodesk Fusion (Fusion360)では、ワークの端点でも任意の位置でも、自由に加工原点を配置することができます。

必要に応じてポストプロセッサをダウンロードする

Autodesk Fusion (Fusion360)には数十種類のポストプロセッサが標準搭載されています。実際に使用される機械のオプション機能や制御装置によって使えるNCデータの仕様が異なりますので、ポストプロセッサを切り替えてNCデータを出力することが必要になりますが、Autodesk Fusion (Fusion360)では工作機械用にカスタマイズされたポストプロセッサをインターネット上からダウンロードすることもできますし、また弊社ユーザーサポートサービス「フアクトケアplus」に無料で付いてくるNCデータ変換ソフト「MMEditor」を使用することでご要望に応じたNCデータ変換も可能です。

フアクトならケアサービスも提供

CADソフトもCAMソフトも、実務として使用するには疑問点が出ることは間違いなくあるでしょう。どのように操作したらこの形状ができるのか、この機能はどんな機能でどんな時に役に立つのか。そのような時フアクトなら充実のサポート内容で、お客様の「困った、質問したい」に対応します。
フアクトでご契約いただいたお客様には、以下のサポートサービス(フアクトケア)を提供いたします。

・電話やFAX、メール、リモートによるテクニカルサポート
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・有償修理時の基本料金が無償
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・モデリングサービスの10%割引提供
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リモートサポートは特に好評です。電話などでは難しい複雑な形状の説明も、同じ画面を共有できるリモートサポートでストレスなく疑問点が解決できます。
さらに充実したサポート内容の「フアクトケア プレミアムサービス」や「フアクトケアplus」もご用意しておりますので是非ご相談ください。

CADもCAMも充実の機能!Autodesk Fusion (Fusion360)なら間違いない!

このように、Autodesk Fusion (Fusion360)はCAD機能だけでなくCAM機能も充実していますし、CADとCAMが連動できることで作業効率を上げることが期待できます。操作も簡単なので、初めてCAMをお使いになる方でも簡単にツールパスを作成できるようになっています。操作が簡単ということは、習得に時間もかかりませんし、後輩へ教えることも簡単です。また中にはCAMソフトの経験が長く、これまでのソフトでは自分の思うようなツールパスが作れないこともあった、という方もいるかもしれません。Autodesk Fusion (Fusion360)は、多彩な機能でその期待に応えてくれます。ぜひ一度、Autodesk Fusion (Fusion360)を試してみてはいかがですか?

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