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CADとは?製図に役立つソフトの種類と特徴、導入のメリット

2021年12月27日(月) 更新

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工業製品の設計過程では必ず設計図が作成されます。古くは、職人による手書きといった方法で行われていた製図の作業ですが、現在は「CAD」によってコンピューター上でできるようになりました。この変化により、ものづくり等における生産プロセスの効率や正確性が飛躍的に向上したことは言うまでもありません。こちらでは、CADというシステムの概要や大まかな種類、導入するメリットや導入前に押さえておいていただきたいポイントについて解説します。

CADの基礎知識

CADは、今や製造の世界では欠かせない製図ツールです。まずは、CADの概要について把握しておきましょう。

CADとは?

CADとは「Computer Aided Design」の略です。日本の現場では「キャド」と呼ばれます。直訳すると「コンピューターによる設計(デザイン)支援」であり、コンピューターによる設計システムの総称です。
1960年代にCADの原型となるシステム「Sketchpad」が誕生。それを基に開発されたのが、初のCADシステムとされる「CADAM(キャダム)」です。当時は飛行機の設計が主な用途でしたが、廉価版が発売してからは、自動車業界や建設業界など、さまざまな分野で活躍しました。1982年には、現在も世界的に大きなシェアを誇るAutoCAD(オートキャド)が登場。以降も、技術向上や設計する工業製品の多様化に応じて、さまざまなCADが生まれています。現在、工業製品として生産されているものはほとんどがCADの産物と言えるでしょう。

CAMやCAD/CAM、CAEとの違い

CADに関連するソフトとしてCAM、CAD/CAM、CAEがあります。それぞれの概要やCADとの違いについて簡単にご紹介します。

CAM

日本語でコンピュータ支援製造を表す「Computer Aided Manufacturing」。こちらは旋盤加工などに用いられるNC工作機械を数値制御する加工プログラム(ツールパス)を作成するソフトで、製造業等でよく用いられます。 具体的な使い方としては、はじめにCADで設計図面データを作成し、それをCAMに読み込ませます。ここで、図面情報が工作機械用の言語へ変換されます。その後、工作機械へ動き方を指令すことで、数値制御による自動工作が行われます。このように、役割としては、CADが「設計」、CAMが「製造」に当たるイメージです。 なお、CAMにも2D・3D、専用・汎用といった種類があります。代表的なツールとしては、HSMが挙げられます。こちらのCAMはSOLIDWORKSなどのCADとスムーズにデータ連携が行えるのが魅力です。

CAD/CAM

CAD/CAMは、CADCAMの機能をどちらも持つソフトウェアです。通常、CADで作成した設計図面データは一度CAMに読み込まれ、そこでデータ変換が行われてから工作作業へと移行します。一方、CAD/CAMであれば、これら一連の作業をひとつのソフトこなせます。 また、一体型であるため、データの互換性に気を遣う必要もなく、整合性も高い率で保たれます。CAMの段階で何らかの修正・変更が必要になった場合でも、再度CADを立ち上げて修正、CAMへデータを読み込み、といった手間がありません。 なお、CAD/CAMの有名所はAutodesk(オートデスク)社のFusion360です。同ソフトは汎用性が高く、さらに2D・3Dを扱えるということから、CAMを利用する業界でも人気となっています。

CAE

製品に対する耐圧・耐熱などの解析やシミュレーションに用いられるのがCAEです。「Computer Aided Engineering」の略であり、「コンピュータ支援エンジニアリング」を意味します。対象となるのは変位場や応力場、温度場、電磁場など多岐に渡ります。数理モデル化し分析を行った結果で、製品の試作にかかるコストを低減したり、不具合が発生した場合の調査材料にしたりします。 CAEは製図・設計の前に用いられるのが基本です。そのため
(1)CAEによるシミュレーション
(2)CADによる製図・設計
(3)CAMによる製造プログラミング
といった順番で使われます。

CADの種類と特徴

CADには以下のような種類があります。

2次元CAD(2DCAD)と3次元CAD(3DCAD)

CADには2Dのデータを取り扱う2次元CADと、3Dも取り扱える3次元CADがあります。

・2次元CAD

最も、簡易的なCADです。線分や円弧を用いて、平面図や立体図といった、2Dの図形を制作します。CADの中では最も入力が簡単であり、無料で提供されているソフトもあることから導入が容易です。
なお、すでに手書きによる図面作成の経験があるという方であれば、線や面など基本的な表現方法はほぼ同じですので、スムーズにCADへと移行できるはずです。CADを活用してキャリアアップを目指したいといった場合は、2次元CADからチャレンジしてみるのがおすすめです。

・3次元CAD

立体な製図に使用するCADです。直方体や球が主な構成要素となります。2次元CADに比べて細かく複雑な形状を簡単に作図できる点や、最終的な生産物の仕上がりがイメージしやすいことから、さまざまな現場で使用されています。3次元データから、2次元データを作成することも可能です。 一方で、パソコンの要求スペックが高く、ツール自体の価格も高いことから導入にはコストがかかります。行う処理によって「ハイエンドCAD」「ミッドレンジCAD」「ローエンドCAD」に分けられています。

専用CADと汎用CAD

CADは製品によって、特定の業種や業界向けの専用CADと、幅広い分野で使える汎用CADに分かれます。

・専用CAD

建築、土木、配管、電気工事など、それぞれの業務での製図に特化したCADも存在します。それぞれの目的に合わせて、建築用CADや機械用CAD、土木用CAD、電気用CAD、アパレルCADなどと呼ばれます。 設計や製図ができる点は一般的なCADと共通ですが、独自の操作感や各業界でよく使われる機能があらかじめ搭載されており、作業効率を向上させています。

・汎用CAD

どの分野でも使える汎用性に優れたCADです。半面、搭載されている機能が多く、製図の操作を習得するまでには時間がかかる場合があります。

CADを導入するメリット

CADの導入による代表的なメリットをご紹介しましょう。

作業の効率化

設計者による手作業の作図に対し、大幅に作業を効率化できます。たとえば紙図面の場合、修正・変更は一苦労です。鉛筆跡などの汚れが残り、図面が見にくくなるようなことも少なくありませんでした。 一方、CADデータの場合は、ミスで記入した線分は削除できるため、修正しながら作業を進められます。当然ながら、完成する図面は寸法や面積の整合性がとれており、計算も容易です。人為的ミスも起こりにくくなるため、結果として手戻りなども少なくなるでしょう。図面の見やすさが個人に依存しないのも特徴です。 また、他社が一般に公開している部品のCADデータをダウンロードし利用できるという点も大きなメリットです。こうしたデータの使い回しが出来るのも、デジタルの特長と言えます。 そのほか、職人的な鍛錬が必要だった手作業の製図に比べると、技術習得の時間が短くなります。もちろん、未経験の状態からプロフェッショナルなCADオペレーターになるのは容易ではありませんが、紙製図の時代に比べると比較的習得コストが低いという点はメリットです。

図面の管理・共有がスムーズ

図面は紙ではなくデータとして管理・共有されるため取り扱いが簡単です。
閲覧ソフトさえあれば誰でも開けるため、遠方の担当者へメール等で送付し確認してもらう、といった使い方も可能。わざわざ図面を複製し、郵送するといった手間はかかりません。近年では図面データをタブレット端末で共有している現場もあるようです。 また、設計だけでなく、その後の加工や製造といった後工程への図面受け渡しがデジタルになると、協働する企業にとっても効率が高まるでしょう。このように、社内・社外でデータを共有しながら、設計に関しての共同作業にも役立ちます。 なお、紙図面は書き換えや修正に手間がかかりますが、CADはデジタルデータとなるため手軽に編集が行えます。顧客から提供された図面データにも気軽にペンを入れられますし、過去に作成した類似製品の図面を再利用するといった使い方も可能です。 そのほか、図面収納のために、物理的なスペースを確保する必要もなく、検索性が高まる点もメリットのひとつです。

CADを導入する際のポイント

CADを導入する際には、以下のようなポイントに気を付けましょう。

導入の目的を明確にする

CADの導入にはコストが発生します。また、オペレーターが製図をできるようになるためのスキルアップ期間も、決して短期とは言えません。導入の目的を明確にしたうえで検討しなければ、CADが無駄になってしまう恐れがあります。 そもそも、CADの導入によって何を改善したいのか見極めましょう。本来の目的は「CADを使いこなすこと」ではないはずです。

使いやすいものを選ぶ

上述したとおり、CADにはさまざまな種類があります。自社の業務に適しているものを選ばなければ、仕事にストレスが溜まってしまうかもしれません。CADの搭載機能や操作性は、作業効率に大きく影響します。 また、見落としてはならないのが対応しているデータ形式です。自社で扱っているデータ形式に対応していれば、スムーズに導入できます。取引先のデータ形式も意識してください。 CADの導入が初めてであれば、購入後のサポートについても注目しましょう。ベンダーによっては、電話サポートサービスやセミナーを提供しています。

補助金制度を利用する

ビジネスでCADを導入する場合、コスト面の負担を軽減できる制度があります。それが、「IT導入補助金制度」です。
中小企業や小規模事業者の業務効率向上・売上向上をサポートするために、ITツールの導入にかかるコストの一部を補助しています。CADの導入もこの制度の範囲内です。詳しい条件などは、経済産業省・IT導入補助金事務局のWebサイトで詳細を確認できます。
https://www.it-hojo.jp/
なお、弊社でAutodesk社の「FeatureCAM」やDassault Systèmes SolidWorks社の「SOLIDWORKS」を導入した場合、IT導入補助金の対象となります。CAD導入のコスト面を懸念されている方は、ぜひIT導入補助金制度をご利用ください。

フアクトおすすめのCADソフトウェア

弊社では、これからCADを導入しようとお考えの企業様に対し、さまざまなサポートをご用意しております。以下では、弊社が取り扱うおすすめのCADソフトウェアをご紹介します。

Fusion360

CADの世界的トップシェアを誇るAutodeskが提供するクラウド型CAD/CAM「Fusion360」。3Dモデル作成・設計・シミュレーション、そしてCAMまで対応できる高機能が特長です。 また、コストは1年間 ¥61,600(税込)のサブスクリプション契約です。ポイントは、この費用内にバージョンアップ料金が含まれているということ。一般的なソフトは、バージョンアップの際に保守契約の加入が必須となりますが、Fusion360であれば不要。さらに、更新はネット上で自動的に行われるため、ユーザー側の操作がなく手間がありません。
また、クラウド型なので場所を選ばずソフトを使用可能です。遠方の別工場ライセンスおよびファイルをネット経由で共有する、といった使い方が容易に行えます。 なお、当社でFusion360をご契約いただいたお客様には、充実のサポートをご用意しております。電話・メール・リモートサポートに加えて、集合講習会へのご参加、パソコン割引券の進呈などをご用意しております。汎用的かつ便利に利用できるCADをお探しの方は、ぜひFusion360の導入をご検討ください。

SOLIDWORKS

使いやすさにこだわり抜いたCADとして知られるのがSOLIDWORKSです。毎年200以上の機能強化がされる同ソフトですが、このうち9割以上はユーザーの声を反映したもの。マウスのクリック数や移動量まで考慮しているとされるユーザーフレンドリーなUIに、ぜひ触れてみてください。 もちろん、プロフェッショナルの生産性を高める設計にも仕上がっています。熟練者の方には認定技術者の称号を与える制度も設けられています。グローバルなソフトに関する資格となるため、世界的な評価にもつながるためおすすめです。

ものづくりに欠かせないCAD

図面作成の効率を大きく向上させたCADは、すでに多くの産業にとってなくてはならない存在です。自社の分野とマッチングのよいツールを選べば、製図の手間や時間が大きく削減されるでしょう。図面作成を行っているのであれば、ぜひCADの導入をご検討ください。

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