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PDFやスキャンした図面をCADデータに変換する方法と注意点

2021年12月27日(月) 更新

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CADの利便性はわかるけれど、導入した後に、これまでの紙ベースの図面やPDFファイルをどのように扱おうか......そうお悩みの方が多いのではないでしょうか。実は、CAD上にこれまでの図面を取り込み、紙ベースの情報をデータ化して活用することが可能です。また、PDFファイルはCADで読み込める形式への変換ができる可能性があります。

ここでは、紙図面から取り込んだスキャンデータやPDFをCADの画像データに変換する方法や、その際の注意点を詳しく解説しています。これまでの図面を活用しつつ、より簡単かつ効率的にデータ変換する方法をお伝えしますので、ぜひご活用ください。

「紙図面やPDFをCADデータに変換する方法」

まず建築図面や電気図面、地図、機械設計図面、等高線図などの紙画面やPDFファイルをCADCADデータに変換するための一般的な方法を、手順を追って説明していきましょう。紙画面やPDFからCADデータに変換することで、基の縮尺をそのまま利用できるようになり、面積や寸法を測りたい場合にとても便利です。なお、「AutoCAD」の場合はPDFを直接読み込む機能が搭載されているので、変換ソフト・ツールは不要です。

紙図面をスキャンし、CAD上に取り込む

まずは、取り込むべき図面をスキャナで読み取り、モノクロ2値のラスター(TIFF、JPEGなどの画像データ)として変換用データとして取り込みます。これは、ベクトルデータとは異なり点と線の集合体に過ぎません。細切れの線データのため、CAD上では編集できないのです。

そうした画像データに加筆修正する作業が必要な場合は、CAD画面上の下敷きとしてDWF、DGN、PDFなどのファイルを配置することになります。これをアンダーレイといいます。さらに、場合によってはスキャンしたデータをCAD上でトレースする必要が生じるかもしれません。この場合は、別のレイヤで清書するかたちになり、かなり時間がかかることも予想されます。

CADデータに変換できる専用システムを使う

スキャンした画像データをCADデータに変換する機能を持つ、専用のシステム・ソフトウェアを使用する方法もあります。精度は未知ではあるものの、中にはフリーソフトとして提供されているものもネット上で見つかります。これは、スキャナや複合機などを用いて紙画面をスキャンしたのち、専用の変換システムを利用して、読み取ったデータ(ラスター)をベクター(Vector)に変換するというもの。ベクター変換された画像は、文字や線として認識・表現されるので、CADデータとして活用可能です。

この際、DXFやDWGなどのファイル形式を選択しなければなりませんが、中には、PDFデータをCADデータに変換できるシステムもあり、多様なニーズに対応可能な環境が整いつつあります。こうした専用のシステム・ソフトウェアを用いてCADデータとして変換すれば、多種のジオメトリオブジェクトを作成できるだけでなく、元画面の誤差の修正や、傾き・角度の補正、不要な箇所の削除などが可能になります。

さらに、いくつもの画層を組み合わせることができる、データとして再利用できるというのも大きなメリットです。

なお、より手軽に変換をしたいという場合には、PDFをオンラインでDWG やDXF、JWW等のフォーマットへ変換できる無料サービスもあります。使い方も簡単で、PDF形式の図面データをアップロードするだけです。インストールも不要なので手間がありません。ただし、精度等についてはそれぞれのツールによって異なりますが、急ぎの場合などにご活用ください。

PDFファイルの読み込みが可能なCADを使う

Autodesk社が開発・販売している汎用CAD「AutoCAD」には、PDFIMPORT(PDF読み込み)コマンドが用意されています。AutoCAD2018移行のバージョンで作成された図面のPDFアンダーレイを読み込むと、編集可能な図面ジオメトリへと変換可能です。この場合、読み込まれたデータの線分は編集可能なジオメトリに、文字は編集可能なテキストデータになります。なお、変換後に作成されるコンテンツの正確性は読み込み対象のPDFの品質によって結果が異なるので注意が必要です。 また、PDFのDWG変換処理はAutoCAD 2018以降となるため、以前のバージョンをお使いの場合はアップデートをおすすめします。

「スキャンした図面やPDFをCADデータへ変換するときの注意点」

紙図面をスキャンした画像データやPDFファイルをCADデータへと変換するうえでは、いくつかの注意点があります。より高精度なデータとして保存するためにも、以下の2点に十分ご注意ください。

PDFが編集可能なジオメトリに変換されない場合がある

AutoCADでPDFIMPORT(PDF読み込み)コマンドを使用しPDFを図面ジオメトリに直接変換できるのは、基本的にAutoCAD2018移行のバージョンで作成された図面のPDF アンダーレイのみです。
紙をスキャンした図面データや、そのほかのソフトウェアで作成したドキュメントやコンテンツをPDFIMPORT(PDF読み込み)コマンドで読み込んだ場合、ラスターイメージファイルが作成されます。この場合の線分や文字は編集可能なジオメトリではありません。そのため、利用する場合には外部参照として図面にアタッチし、必要に応じてトレースを行うなどの操作が必要です。 なお、AutoCAD2017以前およびその他のCADで作られたPDFファイルの場合は、Adobe illustratorなどのソフトを使ってDXFデータへ変換するのがおすすめです。この場合は、線分や文字が認識された状態のDXFファイルがつくられます。

取り込んだデータに不備がある場合は補正を行う

紙データをスキャナーで取り込む際には、たとえわずかなものだとしても、そこにゆがみや傾きなどが生じる場合があります。レイアウトの崩れなどの原因になるため注意しましょう。また、元の画面にあった折り目や破れた箇所などがデータに反映されてしまい、イメージデータを表示する際に見づらくなってしまうケースも否定できません。

画面の線や文字が読み取りづらい場合は、必要に応じてデータの加工・修正を行わなければなりませんが、そういった取り込みの不備を自動で補正してくれるシステムも存在します。「データの加工・修正などを行う時間がない」「できるだけ効率的に補正したい」という場合は、こういったシステムの利用をおすすめします。

変換システムを使う場合はファイル形式に注意する

CADデータとして変換するシステムを用いる場合は、そのシステムが指定するファイル形式にご注意ください。システムによって、IGES、STEP、PARASOLID、SAT、JTなど、変換できるファイル形式が異なる場合があります。

そのため、そのシステムのファイル形式が、自社もしくは関係先のCADが指定するファイル形式に対応していないということがあり得るのです。自社や関係先が導入するCADに対応可能なファイル形式を確認したうえで、各種システムを比較検討し、よりよいものをご選択ください。

「従来の紙図面やPDFを活用するために」

従来の紙図面のかたちで設計図が残されている建物を改修する際、この図面をスキャンして取り込み、CADデータに変換するメリットは大きなものです。もともとの画面上の誤差を自動的に修正したり、傾きや角度を補正したりといった作業においても利便性があり、改修のための図面を引く作業も簡便になります。これはPDFファイルであっても同じことで、編集可能な状態で保管することが、今後の利便性につながります。

ただし、スキャンしたデータを取り込む際には、いくつかの注意点があります。多種多様なCADシステムを比較検討する中で、御社にとってより使い勝手がよく操作性が高いものをお選びください。

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