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【Gコードの基礎知識】機能がわかる一覧表付き

最終更新日:2023.01.05 / 公開日:2020.07.27

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CAD/CAMのポストプロセッサの変換機能を活用することで、簡単にNC工作機械の切削などをさせるためのNCデータを作成することができます。しかし、NCデータのプログラム構造がどのようになっているのかある程度理解しておくと、ちょっとした入力修正をしたい場合に、NCコードを呼び出して直接操作できるのでとても便利です。NCデータは、複数のコードから成り立っています。ここでは、Gコードとはどのようなものか、種類や分かりやすい一覧表をご紹介します。

Gコードの基礎知識

ここでは、Gコードとはどのようなものであり、どんな種類があるのかについて詳しく解説します。

Gコードとは?

Gコードとは、NC工作機械の内部設定を処理するためのコードです。そのため、Gコードのことを、「準備機能」と呼ぶケースもあります。Gコードで指令することで、NC工作機械の工具などの軸移動や座標設定(X1など)、回転、対象加工物の加工方法などを細かく設定することが可能です。

一般的に、GコードはアドレスとなるGというアルファベットと、2ケタの数字で構成されています。つまり、G00からG99までで100種類の指令を与えることができるようになっているのです。100種類というと、非常に数が多いような気がしてしまいますが、自分が操作を行うNC工作機械でよく使うコードや必要なコードを覚えておくだけでも役立てることができるでしょう。

Gコードの種類

一言でGコードといっても、その指令がどれくらい有効になるのかによって、ワンショットとモーダルの2種類に大別することができます。

・ワンショットGコードとは

ワンショットGコードは、G00グループにあるGコードのことであり、指定されたブロック内でしか指令をしないコードとなります。

・モーダルGコードとは

モーダルGコードは、G00グループ以外のGコードであり、同一グループ内であれば、他のGコードが指示されるまで有効となるコードのことを言います。

ワンショットGコードは、ブロック内1回限りのコードですので、比較的理解しやすいでしょう。モーダルGコードは、最初のうちは少しわかりにくいかもしれません。実際にコードと工作機械の動きを見ながら覚えると理解しやすいでしょう。

一般的なGコードの一覧表

ここでは、一般的なNC工作機械において、よく使用されるGコードについてご紹介します。

G00

機能:位置決め
指令した位置へ早送りで移動させる(座標記述は省略可能)

G01

機能:直線補間
設定した送り速度で移動させる

G02、G03

機能:円弧補間、ヘリカル(CW・CCW)
時計回り、反時計回りの円弧動作

G04

機能:ドウェル
指定時間分、軸移動を停止させる

G17、G18、G19

機能:平面選択
XY平面指令、ZX平面指令、YZ平面指令

G28

機能:リファレンス点復帰
機械原点へ戻る時などに使用

G40

機能:工具径補正キャンセル
指定した工具径補正をキャンセル

G41

機能:工具径補正 左
指定値分、進行方向左にずらす

G42

機能:工具径補正 右
指定値分、進行方向右にずらす

G43

機能:工具長補正 +
指定値分、Zプラス方向へずらす

G44

機能:工具長補正 ―
指定値分、Zマイナス方向へずらす

G47

機能:工具位置オフセット2倍伸長
工具位置をオフセットする

G49

機能:工具長補正キャンセル
指定した工具長補正をキャンセル

G80

機能:固定サイクルキャンセル
穴加工などの固定サイクルをキャンセル

G81~G89

機能:固定サイクル
各種穴あけ加工

G90、G91

機能:アブソリュート指令/インクレメンタル指令
アブソリュート(絶対値)指令、インクレメンタル(増分値)指令

G98

機能:固定サイクルイニシャルレベル復帰
固定サイクル退避時に安全高さまで上がる

G99

機能:固定サイクルR点レベル復帰
固定サイクル退避時にR点まで上がる

Gコードを使用する際の注意点と使用例

実際にGコードを使用する際の注意点や、どのように使用するのかなどの使用例などについて、ご紹介します。

使用する際の注意点

まず、もっとも注意しておかなければならないポイントとしては、使用するNC工作機械の仕様をよく確認するということです。非常に便利なGコードではあるものの、NC工作機械によってGコードの仕様が違う場合があります。つまり、同じGコードであっても、機械によって指令が変わってくるということです。間違いを引き起こさないためにも、NC工作機械のGコードを確認するようにしましょう。

また、ワンショットGコードとモーダルGコードの前後の関係性をよく確認しておく必要があります。たとえば、ワンショットGコードを記載したブロックの次のブロックにGコードが記載されていない場合、さらにその前に指令されていたモーダルGコードの情報を実行します。

また、モーダルGコードは、同一グループのGコードが指令されるまで、その状態が維持されています。たとえば、G00を一度指令するとG01またはG02、G03が指令されるまでG00が維持されます。意外に見落としてミスをしてしまいがちなので注意しましょう。

Gコードの使用例

それでは、実際に使われるGコードの使用例をご紹介します。

G91G28Z0
G28X0Y0
M30
%

使用例:
機械原点に戻る際に使用する。まず、Z軸を復帰させたうえで、Y軸の原点復帰を行います。

もし、Gコードの動きなどがわからない場合は、CAD/CAMなどで作成したNCデータを確認して、実際に動かしてみると理解度が高まるでしょう。

工作機械の理解を深めるためにGコードを覚えよう

CAD/CAMのポストプロセッサを利用していると、簡単にNCデータを作成することができます。しかし、NCデータを構成するコード類も覚えておくほうがよいでしょう。Gコードは準備機能とも呼ばれており、さまざまな指令を行うことができます。一般的にアルファベットのGと2ケタの数字で構成されるので100種類の指令がありますが、よく使われるものを覚えておくだけでも役立てることができるでしょう。今回ご紹介した一覧表と、使用しているNC工作機械の仕様を確認して、Gコードを覚えていくようにしましょう。

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