荒加工とは?切削加工における重要工程の基礎知識とCAMの設計ポイント

2018年10月23日(火) 更新

工作機械を使ったマシニング加工では、切削することが可能です。マシニング加工は、その工程に応じて複数の段階に分けることができ、その中でも荒加工は、工作機械でモノを生み出す際に、原型となる形を作り出す重要な工程です。実際に荒加工とはどのようなものなのでしょうか。ここでは、荒加工の基礎知識や、工作機械に流し込むためのデータをCAMで設計する際のポイントを詳しく解説します。

目次

  • 荒加工とは?
  • 荒加工と中仕上げ加工、仕上げ加工の違い
  • 荒加工を行う際のポイント
  • CAMを活用して重要工程である荒加工を制しましょう

荒加工とは?

荒加工とは、いったいどのようなものなのか、詳しく解説します。

荒加工の基礎知識

荒加工というのは、粗加工とも表記され、工作機械におけるマシニング加工の工程の中にある、一つの工程を言います。荒加工は、かつてフライス盤を用いて手作業で行われていましたが、近年ではコンピューターによる制御のもとで、すべて自動で行われるようになったのです。 荒加工では、何も加工されていない無垢の材料から、10mm以上の穴をあけたり、掘り込みを入れたりすることで、材料の中に残されている残留応力や、加工の際に発生する加工応力を取り出すことができます。荒加工をしておくことで、仕上げ加工の段階で応力によって歪んでしまうなどのトラブルを防ぐことができるのです。それにより、マイクロ単位での精度の実現が可能となっています。
また、その他の目的として、切削の前加工や鋳造、鍛造などのために既存の穴を拡げるために行われる工程でもあります。荒加工で穴を拡げた後に、仕上げ加工でより正確な穴へと調整していくのです。
このように、高い精度を有する部品や機械を作り出すためには、前準備となる荒加工が必要不可欠といえるでしょう。

基本的な加工方法と使用する機械

工作機械を使った加工の流れとしては、ベースとして荒加工、中仕上げ加工、そして仕上げ加工の順で進んでいきます。場合によっては、そこから側面加工、斜め穴掘り込加工、3D形状加工などの段階を踏むケースもあるでしょう。加工するものや、目的によって異なります。
全体の基本的な流れとしては、芯出し加工で平衡をしっかり出した後に、荒加工や荒取り加工を行い、精度を高めるための仕上げ工程へと進んでいくのが一般的です。
切削を行うためのマシニングセンターは、多くの場合荒加工専用のものと、仕上げ専用の機械とを別々のものを使って行われます。中仕上げ加工や仕上げ加工では、荒加工よりも精度の高い加工が必要となるからです。しかし、マシニング加工によっては、荒加工専用の機械を用いて中仕上げまで進めてしまうケースもあるでしょう。
使用するマシニングセンターや加工の目的によって違ってきますので、必要に応じて対応するのがおすすめです。

荒加工と中仕上げ加工、仕上げ加工の違い

荒加工と、中仕上げ加工、仕上げ加工にはどのような違いがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

中仕上げ加工

中仕上げ加工とは、荒仕上げ加工の後の工程で行われる切削加工のことを言います。荒加工では、おおよそざっくりとした加工がおこなわれるため、最終的なできあがりの段階よりも取り代ができています。つまり、荒加工の段階では、文字通り荒い状態であるため、できあがりには程遠い状態といえるでしょう。
荒加工をおこなうマシニングセンターや設定によって、加工後に残る取り代は変わってきますが、取り代が1mm残った場合、中仕上げ加工ではその取り代を0.1mmから0.02mmにまで切削加工するのです。いきなり仕上げ工程に進むのではなく、荒加工と仕上げ加工の間に、この中仕上げ加工を挟むことで、より精度の高い最終の仕上げ加工が可能となります。
前述したように、中仕上げ加工を荒加工と同じマシニングセンターで対応するケースもありますが、精度を高める場合や加工納期を短縮させることを目的として、中仕上げ加工専用の機械で対応するケースもあるでしょう。

仕上げ加工

仕上げ加工というのは、CADによって作成された図面の支持公差の採集寸法を確定するための加工です。図面の寸法に限りなく正確に近づけるために、0から0.01mmの範囲で加工します。これほどの精度の高い加工をするためには、一般的に仕上げ加工専用の機械を用いなければなりません。
荒加工や中仕上げ加工などと同じマシンを使用してしまうと、繰り返し加工や重切削によって機械工具の主軸やボールガイドに大きな負荷を与えてしまいます。負荷が大きくなると、徐々に制度が悪くなってしまい0から0.01mmの世界に到達させることができなくなってしまうのです。仕上げ加工の精度を最大限に、そして長期間維持させるために、専用の加工機械が必要というわけです。
特に荒加工のマシニングセンターの工具にかかる負荷は非常に大きく、工具の寿命も比較的短くなってしまいます。負荷によるダメージは、繊細な仕上げ加工では致命的なものとなるので、かならず荒加工の工具と仕上げ加工の工具を分けて管理するようにしましょう。

荒加工を行う際のポイント

FeatureCAMには「工具データベース」が搭載しています。「工具データベース」と「素材材質」を合わせた加工条件は、一般的な条件となっており、お客様によっては条件が合わない場合もあります。その場合にはカスタマイズが必要となります。工具には、送り速度、回転数、Zステップ、ステップオーバーを素材材質毎に設定ができます。これによりお客様に合った加工条件になります。
また、FeatureCAMには「工具寿命管理」設定があります。例えば、穴加工の場合、指定の穴数に達したら工具交換を行ないます。ミーリング加工では、加工時間や切削距離上限を指定することが可能です。

CAMを活用して重要工程である荒加工を制しましょう

荒加工は、マシニング加工による切削の中で、もっとも最初に行う加工であり、仕上げ加工の精度を上げるためには必要不可欠である重要な工程です。荒加工で適切な作業を指示できると、中仕上げ加工や仕上げ加工においてCAD図面との誤差の少ない加工を実現することができるでしょう。ぜひ、今回ご紹介した荒加工設計のポイントを押さえながら、CAM設計を行ってみてはいかがでしょうか。

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