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ツールパスとは?加工に欠かせない工具の位置情報を作成する方法

最終更新日:2022.08.23 / 公開日:2020.07.27

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NC工作機械を自動的に動作させるためには、CAD/CAMを用いてツールパスを作成したうえで、NC工作機械にデータを流し込む必要があります。なぜなら、これがないとNC工作機械で加工材料を思うように加工することができないからです。ただ、ツールパスというものが、いったいどのようなデータであるのかわからないという方は少なくありません。ここでは、ツールパスの基礎知識やNCデータとの関係、ツールパス作成の流れ、そして主な設定項目などについて詳しくご紹介します。

ツールパスの基礎知識

このトピックでは、ツールパスとはどのようなものなのかについて、わかりやすく解説します。

ツールパスとは?

ツールパスとは、CL(Cutter Location、カッターロケーション)データとも呼ばれており、NC工作機械などで製品を加工する際に、切削ツールがたどる経路をコード化したもののことです。このツールパスを設定するためには、CAMの場合は、CADで作成した図面を基にして、CAM上で計算し生成されます。CLデータは、すべてが同じであるものというわけではなく、加工対象や加工方法によってCLデータが異なる傾向です。

ただし、一つだけ注意する点があります。このCLデータというのは、CAM上でCAMの言語で作成されたデータです。このままだと、NC工作機械で認識することができないので、適切な加工指令を出すことができません。NC工作機械で操作させるためには、CAMに搭載されているポストプロセッサの変換機能を利用して、NC工作機械が理解できるNCデータに変換する必要があります。

ツールパスを作成し、確認する理由

ポストプロセッサを使って、NCデータに変換するのであれば、「最初からツールパスを通さずに作成すればいいのではないか?」と感じる方も少なくありません。しかし、これには理由があります。ツールパスがあれば、パソコン画面上で視覚的に製品の加工方法を検証することができます。どのように、工具が動いてどのように加工していくのか、最初から最後まで、全体の処理の流れや作業結果を確認していくことができるのです。

これによって、工作機械を動かす前にデータ上で不具合や問題をチェックでき、調整対応をすることができます。つまり、NC工作機械に定義する際には最適に効率化された状態のデータファイルを指定することができるのです。また、ファイルとして保存しておくことで別の工程で流用したり、修正や追加を容易にしたりすることが可能です。

ツールパスを作成する際の基本的な流れ

ツールパスを作成する一連の流れとしては、次のとおりとなります。

ツールパスを作成し、確認するまでの主な流れ

・CADで製図を行い、加工部品の形状データを構築
・CAMでモデル形状を確認
・使用する工具やパーツ、加工条件などを選択設定
・工具経路を作成
・シミュレーションを参照し、ツールパスの有効性を確認
・ポストプロセッサを使用してNCデータに変換し、実加工を開始する

ツールパス作成時の主な設定項目

ツールパスを作成する際に設定する主な項目は次のとおりです。

・製品の加工に使用する工具
・材料シートやブロックの厚さ
・ツールパスの範囲
・工具のプロパティ

使用する工具などのツールは、メニュー画面から選択できます。さらに、各パラメータなども細かく量や数値を詳細に調整できカット時の負荷や、コーナー部、ポケットの対応なども設定可能です。ある程度慣れれば、非常に簡単な作業でツールパスの設定をしていくことができるでしょう。

FeatureCAMを使用したツールパスの作成方法

CAD/CAMは、さまざまなメーカーから展開されていますが、ここでは「FeatureCAM」を使った、ツールパスの作成方法についてご紹介します。

FeatureCAMは、比較的加工の定義が簡単に作成できるので、わずらわしい作業が軽減され、結果的にNCデータが素早く作成できます。また、作成したツールパスは、事前にシミュレーションで加工結果をチェックできるので、手作業によるミスなどが大幅軽減できるでしょう。

FeatureCAMで行うツールパスの作成をする場合、加工領域を設定し、加工方法や工具などの加工条件を設定することで、ツールパスを作成することが可能です。作成したツールパスの挙動を確認する場合は、特別な操作を行わなくても、作成したツールパスは、画面上に表示されます。そして、シミュレーションを用いることで、関連工具の動作を確認しましょう。また、切削アニメーションを用いることで、加工結果を確認することができます。

FeatureCAMは、サブスクリプション契約となっているため、比較的初期導入費用を安く導入できるのが魅力です。ここまでご紹介してきたとおり、NCデータが素早く作成できるのですが、もし加工製品のソリッドデータがあれば、さらに素早くNCデータが作成できるので、PCで行う作業時間が大幅に削減できるでしょう。また、3D対応させることも可能なので、より高度な開発などもできるようになります。気になる点があれば、無料デモ機の貸し出しも受けることも可能です。

CAMを使ってツールパスを作成しよう

NC工作機械を適切にコントロールして、加工物を作成するためには、CAMなどでツールパスを作成して、NCデータへ変換する必要があります。CAMを使用してNCデータを作成する場合は、特別な工夫を要せず簡単に変換することができるでしょう。事前に、コンピュータ上でシミュレーションなども可能です。

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