1990年、アップル製PC「マッキントッシュ」版のCAMソフトウェアにて、マウス操作を取り入れたCAMの開発・普及に先駆的に携わる。以降、2次元から3次元CAMまで、多くのCAD/CAMソフトの開発および販売に携わり、金型加工や部品加工、多軸加工など、幅広い製造分野に精通。
ポストプロセッサ/加工シミュレーションに加え、切削加工現場のデータ通信システムにも精通。過去には職業訓練校の臨時特別講師を務め、現在も全国のCAMユーザーを技術支援・運用改善でサポート。
最終更新日:2024.11.20 / 公開日:2019.08.09

CADデータを確認するためにはCADがインストールされた専用のパソコンを使って複雑な処理をしなければなりません。しかし、3DPDFの機能を活用すると、CADの専門知識がない人が一般のパソコンを使っても簡単に形状が確認できるようになります。この記事では営業部門から量産工場までさまざまな分野で活用可能な3DPDFについて、概要をはじめ取り扱われるデータの形式、3DPDFの作成方法について紹介します。
3DPDFは文章の中に3次元データを組み込んでPDF化した資料のことです。Wordなどの資料をPDF化した場合、Adobe Acrobat Readerなどを使えばレイアウトを崩さずいつでもデータが確認できます。また、文書そのものを書き換えることができないためセキュリティの確保にも役立ちます。3DPDFも同じように3次元データを安全かつ簡単に確認するのに便利な方法です。
CADを全く使ったことがない人がCADのデータを開いたとしても、マウスの動かし方なども特徴があり操作に苦労してしまいます。これに対し3次元モデルをPDFに埋め込む3DPDFであれば、簡単なマウスのクリックやドラッグなどで部品の表示/非表示の切り替えや回転操作ができます。紙に書かれた図面とは異なり立体を頭の中で組み立てて考える必要がなく、特別な操作方法を取得しなくても立体的な構造を共有できるようになります。営業部門で仕様を確認する場合や生産工場で部品がどのように組み合わせられるかなど状態を確認したい場合などに役立ちます。
3DCADなどのデータをPDFに変換するにはデータ変換に対応する専用のコンバーターを使用します。無償のツールでも作成が可能ですが、色表示、履歴表示など詳細な情報の盛り込みに対応する場合には有償のツールがあると便利です。
Acrobat 9 Pro ExtendedやAdobe 3D ReviewerではAdobe Acrobat 3Dをはじめ複数のCADデータの埋め込みに対応しています。代表的なものを紹介します。
なお、手持ちのCADが直接3DPDFの変換に対応していない場合でも、U3DやPRCなどpdfへの埋め込みに対応しているデータ形式に変換できればドキュメントに盛り込むことができます。
CADでデータを作成する場合はさまざまなコマンドを組み合わせて操作する必要がありますが、3DPDFをCADで生成する場合にはそれほど難しい操作は必要ありません。例えば、SOLIDWORKSの場合、ファイルの種類にAdobe Portable Document Format(pdf)を選択し、名前を付けて保存で3DPDF形式を選択するだけと非常に簡単です。大抵の3DCAD場合、エクスポートもしくは別名で保存のコマンドでファイルの種類を「PDF」または「3DPDF」に切り替えると3DPDFデータが作成できます。
また、書き出した3DPDFファイルを使用する場合は、ファイルを使用したいパソコンにAcrobat Readerがインストールされている必要があります。インストールされている端末であれば、3DPDFを埋め込んだドキュメントを開き、プレビュー画像をダブルクリックすると3DPDFが読み込まれるようになります。
ミッドレンジ3DCADトップシェアのCADです。ヒーリング機能付きで、3DPDF以外のデータ変換にも対応しています。
手頃な価格で導入できるミッドレンジCADでモデリング、アセンブリ、作図など一般的な機能に加え、シートメタル、ヒーリング、CAM機能も搭載しています。
年間ライセンス料を支払わずに永久使用できるリーズナブルなCADです。BricsCAD Pro/Platinumの場合追加ソフトであるCommunicatorを導入することでさまざまなデータ互換機能が使えるようになります。
3DPDFは特別な操作を覚えたりツールを導入したりする必要がなく、簡単に3Dデータを確認するのに便利です。PDFの読み込みに対応しているソフトウェアがあればどのような場所でも手軽に利用できます。3DPDFを作成するにはライセンスが追加で必要なこともありますが、一般的にはCADの保存形式を選ぶだけで簡単に生成できます。CADを導入する場合には取り扱うデータの種類や作成する部品の形状を考慮するだけでなくデータ共有の方法として3DPDFにも注目してみましょう。