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p型半導体の特徴とは?n型半導体との違いとpn接合による整流作用

2022年01月07日(金) 更新

半導体は、添加する不純物の種類によって「p型半導体」と「n型半導体」に分けられます。いずれも電子の移動によって電流をつくり出す点は同じですが、仕組みは真逆です。また、電気を流す・流さないをコントロールする際には、pn接合による整流作用が利用されます。こちらでは、半導体の基礎知識として、半導体の型やp型半導体の構造・特性、pn接合、整流作用について分かりやすく解説します。

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半導体の2つの型

電気を通す物質を導体(金属)、電気を通さない物質を絶縁体と呼びます。半導体は、この中間程度に位置する電気の通しやすさを持つ物体です。材料にはシリコンやゲルマニウム、ガリウムヒ素などがあります。今回は、現在主な材料となっているシリコンを例に解説を進めます。 シリコンを結晶化すると、半導体の材料(真性半導体)ができあがります。しかし、純粋なシリコン単結晶は電気をほとんど通しません。そこで、不純物を含有させることで、電流を流せるようにします。この際、どんな不純物を混ぜるかで、半導体はp型とn型に分けられます。


p型半導体とは?

p型半導体は、原子核のもっとも外側にある価電子の軌道(価電子帯)に生じた正孔(ホール)を利用し、電気伝導を起こす半導体のことです。正孔は+の電気を持つ粒子(電荷)と見なされ、電荷の運び手=キャリアと呼ばれます。なお、+(positive)の電荷を持つことが、p型という名称の由来です。p型半導体が電気伝導を起こす仕組みの詳細は後述します。

n型半導体の特徴

n型半導体は、真性半導体へ不純物(リンやヒ素など)を添加し、電子を置き換えたものです。たとえば価電子を4つ持つシリコンの単結晶に、価電子を5つ持つリンを添加すると、価電子の1つが余ります。どことも結びついていないリンの余剰電子は自由電子(エレクトロン)と呼ばれ、電圧が掛かった際には+極に引き寄せられます。この仕組みによって電流が流れます。

p型半導体の構造と特性

p型半導体の作り方は、Ⅳ族の真性半導体へⅢ族の不純物(アクセプター)を添加することです。分かりやすいように、こちらではシリコンとホウ素を例にしましょう。 単結晶のシリコンに微量のホウ素を加えると、電子が1つ不足します。これは、シリコンの価電子が4個なのに対し、ホウ素の価電子は3個だからです。この電子の欠落した穴を正孔と呼びます。 この状態の半導体へ電圧をかけると、電子が+極へ引き寄せられ、近隣の正孔へと移動します。すると今後は、電子の移動によって別の位置に正孔が生まれます。ここへさらに別の電子が移動します。 p型半導体の特徴は、この電子の動きです。そして、電子が+極の方向へと移動すると、まるで正孔が-極の方向へと移動しているように見えます。そのため、正孔は+の電荷を持つと見なされるのです。

pn接合と整流作用

p型半導体は、電気を流したり流さなかったりできる点が特徴です。その動作を実現する基本原理が、pn接合による整流作用です。

家電

たとえば炊飯器やエアコンは、自動で温度を調整するために温度センサーを搭載しています。この温度センサー自体に、半導体が使われています。 そのほか、パソコンのCPUやメモリはIC(集積回路)で作られており、ソフトウェア・ハードウェアの制御を行います。また、スマートフォンも同様の仕組みです。 意外に知られていないのがLED照明です。通常の電球はフェルト線に電気を通すことで発光しますが、LED照明はここに半導体を組み込み、長寿命かつ省エネを実現しました。 このように、半導体は私たちの生活のなかにひっそりと溶け込み、豊かな生活をサポートしてくれているのです。

pn接合とは?

まずはpn接合が何なのかを解説します。これはp型半導体とn型半導体が接合された際にできる接触面(ジャンクション)のことです。n-p接合と呼ばれることもあります。 pn接合では、p型とn型それぞれの境界付近にそれぞれの正孔と自由電子(キャリア)が引き付き合って結合し消滅します。すると、pn接合にはキャリア不在の層ができます。これを空乏層と呼びます。 空乏層にはキャリアが存在しないので、電子が移動できません。つまり、実質的な絶縁物であり、電流を流さない障壁となるのです。

pn接合による整流作用

pn接合に電圧をかける際は、方向によって電流の流れ方が変わります。 まずは順方向(p型半導体が+極)へ電圧をかけてみましょう。すると、正孔と電子がジャンクションに向かい移動してきます。すると、電子が正孔へと入り込み、両者が消滅。するとそこへn型半導体から電子が流れ込み、p型半導体からは電子が流出して新たに正孔が作られます。この繰り返しによって、電流が発生し続けます。 一方、逆方向(n型半導体が+極)へ電圧をかけると、電子と正孔はそれぞれ遠ざかる方向へと移動します。ジャンクションには電子も正孔もいないため、空乏層が広がり、耐圧を生み出します。 このように、pn接合で一方向にしか流れないことを整流作用と呼びます。整流作用を活用すると、電気を通す・通さないを、電流の流す方向でコントロールできます。たとえば信号の増幅・スイッチングを行うトランジスタなども、このpn接合を基にした半導体素子のひとつです。

半導体のもっとも基礎になるp型・n型半導体

半導体を用いた製品にはさまざまものがありますが、いずれも基本的には今回ご紹介したp型半導体とn型半導体をどのように接触させるか、組み合わせるかで特性が変わります。その意味で、p型・n型半導体は基礎とも言える知識。今回ご説明した概要を踏まえると、半導体デバイスへ流れる電気をより理解いただけたはずです。ぜひものづくりに生かしてください。


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