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半導体にはどのような使い道があるのか?基本的な仕組みと用途を解説

最終更新日:2024.11.25 / 公開日:2021.12.24

私たちの生活で使われる電子機器製品や社会インフラには、さまざまな半導体が使われています。電気的な制御が求められるものはもちろん、意外な場所でも半導体は活躍中。そこでこちらでは、半導体の具体的な使い道や、基本的な仕組みなども合わせてご紹介します。

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半導体の基礎知識

さまざまな場所で使われている半導体。その用途をご紹介する前に、まずは技術的な仕組みを理解しておきましょう。半導体の概要や、半導体ができることについて解説します。


半導体とは?

まずは半導体がどのような仕組み・構造であるかの基礎知識から説明します。 世にある物質には、電気を流しやすい導体と、電気を通しにくい絶縁体があります。半導体は、この2つの性質を併せ持った物質であり、温度変化によって電気抵抗率が変化します。
たとえば、温度を上昇させると電気抵抗率が低くなり、電気が通りやすくなります。つまり「ON」の状態です。一方、温度を下げると電気が通りにくくなります。その性質を利用すると、「OFF」の状態を作り出します。このように、通電のON・OFFを切り替えることで、機器等の制御が行えるのです。 なお、半導体に使われる材料で代表的なものがシリコンやゲルマニウムです。ただし、この単結晶はほとんど電気を通しません。そこで、真性半導体に対して不純物を混ぜることで電気抵抗率を下げ、半導体デバイスとして利用できるよう加工します。 なお、電気抵抗率を高めることに加え、材料を工夫することにより最大絶縁破壊電界強度を高めたワイドギャップ半導体というものもあります。合わせて、ガリウムナイトライド(GaN)やシリコンカーバイド(SiC)を原料とした、高い電圧や大きな電流を扱えるパワー半導体(パワーデバイス)なども注目を集めています。

半導体でできること

半導体は、電気のさまざまな制御を行うのに活用できます。
まずは"電気の流れ"の制御です。一方向に電気を流すこともできますし、その電気を止めることもできます。さらに、高速で電気を通す・止めるを切り替えると、その連続値が0と1になり、デジタルの表現を行うことも可能。このような仕組みを利用し組み合わせることで、より高度な情報処理が行えます。 なお、電流の流れを一方通行にして利用する素子がダイオードです。ただし、反半導体に用いられる素材ごとに、電気的特性は異なります。そのため、整流として利用できるものや、エネルギーが加わることで光を発生するものもあります。 後者の半導体は、電気エネルギーを光に変換するLEDや有機ELです。照明で使われるだけでなく、たとえばパソコンやスマートフォンのディスプレイなどにも応用されています。 なお、光のエネルギーを電気に変換するものもあります。太陽光発電(太陽電池)などがその代表例です。

半導体デバイスの種類

半導体は、広義の意味では「一定の電気性質を持つ物質」です。一方、狭義の意味では半導体を用いた電子部品を半導体と呼ぶ場合もあります。こちらでは、後者のことを「半導体デバイス」と呼び区別します。

半導体デバイスとは?

半導体はさまざまな分野に応用されてきました。電子機器が進化するなかで、種類も多岐に分かれていきます。ただし、その形態によってある程度の分類が可能です。 1素子が単独の機能を持っている半導体はディスクリート(個別半導体)と呼ばれます。一方、複数の素子が1つのチップに集まったものはIC(集積回路)と呼ばれています。 そのほかにも、光半導体やマイクロ波デバイス、センサーなども、半導体デバイスの一種です。

さまざまな半導体デバイス

より具体的な半導体デバイスの種類について見ていきましょう。 まずはディスクリート。こちらの代表例としては、ダイオードやトランジスタ、サイリスタ、モジュールなどが挙げられます。 IC(集積回路)はメモリやマイコン、ロジックICなどです。また、ICの集積度をより高くしたものはLSIと呼びます。 光半導体で誰もが思いつくのが発光ダイオード(LED)です。ただし、こうした発光デバイス以外にも受光・光複製・光通信といったデバイスも存在します。そのほか温度や圧力、加速度、磁器などを計測するのに役立つセンサにも、半導体が用いられています。

半導体の使い道

次に、半導体の具体的な使い道についても見ていきましょう。半導体が私たちの暮らしのなかで、どのように活用されているのかをご紹介します。

家電

たとえば炊飯器やエアコンは、自動で温度を調整するために温度センサーを搭載しています。この温度センサー自体に、半導体が使われています。 そのほか、パソコンのCPUやメモリはIC(集積回路)で作られており、ソフトウェア・ハードウェアの制御を行います。また、スマートフォンも同様の仕組みです。 意外に知られていないのがLED照明です。通常の電球はフェルト線に電気を通すことで発光しますが、LED照明はここに半導体を組み込み、長寿命かつ省エネを実現しました。 このように、半導体は私たちの生活のなかにひっそりと溶け込み、豊かな生活をサポートしてくれているのです。

自動車

半導体と関わりの強い産業が自動車です。とくに電気自動車やハイブリッド車など、次世代と呼ばれる自動車では半導体の存在が非常に重要です。また、運転支援や走行制御など、安全性や快適性の向上にも役立っています。 さらに、カーエレクトロニクスの分野でも近年は半導体の役割が増しています。たとえば1台の自動車のなかには、複数のLAN(ローカルネットワーク)が接続され、情報のやり取りや機能性を実現。そのほか、CAN(コントローラーエリアネットワーク)やLIN(ローカルインターコネクトネットワーク)などが作用し合い、安全性等の確保がなされています。

社会インフラ

個人が所有するものではなく、社会的なインフラにも数多くの半導体が活用されています。たとえば電車などの公共交通機関では、電気を用いた制御が必要です。 また、医療機器や銀行ATMなど、間違いが許されないようなシチュエーションでも半導体は活躍。このように、さまざまな場所の中枢で、半導体は私たちの暮らしを支えてくれています。

わたしたちの暮らしの身近にある半導体

近年はIoTやAIなどの進化・普及によって、電子機器がより身近になってきました。これは同時に、半導体の活躍する場面が増えたことにもつながります。すでに私たちの暮らしに必要不可欠となっている半導体。しかし、今後さらにその重要性は高まっていくでしょう。


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