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半導体とは?基本的な性質や2つの型、主な用途を解説

2021年12月24日(金) 更新

半導体は、ものづくりの基板です。半導体によって制御される機器は数え切れないほど存在し、私たちの生活や社会のインフラを支えています。ただし、半導体個別の仕組みというのはいたってシンプルです。複数の半導体が組み合わさることで、より複雑な電気のコントロールが行われます。こちらでは、そんな半導体の基本的な概要や型、種類や主な用途について解説します。

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半導体とは?

半導体は、一定の電気性質を持つ物質のことです。まずは、半導体の基本的な性質や材料などを見ていきましょう。


半導体の定義

物質には、電気を通すものと通さないものがあります。前者は導体と呼ばれ、後者を絶縁体と呼びます。たとえば金属は電気をよく通すので導体です。一方、ゴムなどはほとんど電気を通さないため絶縁体に分類されます。ちなみに、電気の通しやすさは電気抵抗率で表されます。 半導体は、この導体と絶縁体の中間にあたる性質を持った物体です。金属ほど電気は通しませんが、ゴムのようにまったく導電しないわけでもありません。その性質を利用することで、電気の流れを細かく制御できるようになります。 ちなみに、上記のとおり半導体とはあくまでも物質の性質に関する言葉ですが、製造業などで使われる場合には、狭義の意味で「半導体集積回路」のことを指します。

半導体の性質

半導体には、温度によって電気抵抗率が変化するという性質があります。温度が低いときには電気抵抗率が高くなり、電気が通りにくくなります。一方、温度が高くなると電気抵抗率が低下し、電気が通りやすくなります。 この現象はバンド理論で説明がされます。バンドギャップとは、結晶のバンド構造において、自由電子(キャリア)が存在できない伝導体と価電子帯の間に存在する禁制帯の幅を示す言葉です。半導体は、導体よりもバンドギャップが大きく、絶縁体よりもバンドギャップが小さい状態にあります。ここに熱エネルギーが加わることで、バンドギャップを超えて電気が通るようになります。 なお、エネルギーは熱だけに限りません。たとえば光の照射(太陽電池のようなイメージ)も、電気を活性化するエネルギーになり得ます。


半導体の主な材料

半導体の代表的な素材として、シリコン(Si)があります。しかし、高純度のシリコン単結晶(真性半導体)はほとんど電気を通しません。そこで、リンやヒ素などの不純物を混ぜることにより、電気が流れやすくしています。 なお、シリコン以外にもゲルマニウム(Ge)やセレン(Se)、カーボン(C)といった素材が、半導体の材料として用いられています。また近年では、ガリウムナイトライド(GaN)やシリコンカーバイド(SiC)を使用した、次世代のパワー半導体も登場しています。

半導体の2つの型

半導体は大きくn型とp型に分けられます。以下から、それぞれの特徴について解説します。

n型半導体

真性半導体に対し、リン(P)やヒ素(As)、アンチモン(Sb)などの不純物を加えた半導体を「n型半導体」と呼びます。 これらの不純物は、真性半導体に比べて価電子の数が多く、含有されることで自由電子が発生します。この自由電子が+電極に引き寄せられることで、電流が発生します。なお、-(マイナス)の電荷を持つことから、n(negative)型と呼称されています。

p型半導体

真性半導体に対し、ホウ素(B)やインジウム(In)などの不純物を加えた半導体を「p型半導体」と呼びます。 n型半導体とは逆に、p型半導体に含まれる不純物は価電子の数が少なくなり、正孔(ホール)が発生します。ここに電圧をかけると、電子は+電極へと引き寄せられ、近くの正孔へ移動します。結果、導電に寄与するという仕組みです。 ただし、見た目上は正孔が-電極に引き寄せられているように見えます。そのため、p型半導体の正孔は+(プラス)の電荷を持つと見なされ、p(positive)型と呼称されます。 なお、n型とp型の半導体を組み合わせた状態をpn接合と呼びます。pn接合は、それぞれの半導体の特性を生かすことで整流作用を生み出し、細やかな電流の制御を行う仕組みに活用されています。

半導体デバイスの種類と半導体の主な用途

半導体には数多くの種類が存在し、それらを組み合わせることで多岐に機器制御が行われます。以下で、半導体デバイスの種類や、主な用途をご紹介します。

半導体デバイスの主な種類

半導体デバイスは、電子機器の進化や応用分野への拡大といった背景に伴い、さまざまな種類が作られました。分類にもいくつか方法がありますが、たとえば経済産業省の「生産動態統計」では、1素子が単独の機能を保有する「半導体素子」と、複数の素子を集め、1つのチップに載せた「集積回路」に分けています。 半導体素子は、いわゆるディクリート(個別半導体)と呼ばれるものです。ダイオードやトランジスタ、サイリスタなどが代表例です。また、LED(発光ダイオード)などの光電変換素子もここに含まれます。 集積回路にはリニアICとデジタルICが含まれます。たとえば、パソコンに使われているメモリなどはデジタルICの一種です。そのほか、混成集積回路(ハイブリッドIC)なども集積回路のひとつです。なお、ICは素子数規模によってSSI(Small Scale IC)やLSI(Large Scale IC)などの区分があります

半導体の主な用途

半導体は実にさまざまな場所で活躍しています。家電製品やパソコン、自動車。さらに、LED電球のなかにも半導体が組み込まれています。 まずは身近なところから見ていきましょう。たとえば冷蔵庫のなかには温度センサーが組み込まれていますが、これは半導体で作られています。そのほかにも、炊飯器の火力調整も半導体による制御のひとつです。そのほかにも、パソコンやスマートフォンをはじめとした精密機械には、ICチップが複数組み込まれており、さまざまな制御を行っています。 社会インフラの中核においても、半導体は重要な役割を担います。インターネットなどの通信関連や電車の運行、銀行のATM、物流システムなど。半導体なしでは、私たちの豊かな暮らしは実現できません。 なお、近年では自動車への半導体デバイスの搭載量が増加傾向にあります。理由はさまざまですが、例としてADAS(先進運転者支援システム)の普及などが挙げられます。安心・安全なドライブをサポートしてくれるシステムにも、やはり半導体が不可欠なのです。

ものづくりの基板となる半導体

半導体自体の性質はごく単純ではあるものの、それを組み合わせて利用することで、細やかな電流・電力の制御が実現できます。ものづくりを行う上での基板とも言うべき存在です。IoTやAI、ビックデータ、クラウドなどが普及・活用される将来においても、半導体はより大きな役割を担うでしょう。


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