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NCプログラムとは?使用のメリットや方法を解説
最終更新日:2025.05.09 / 公開日:2025.04.03
近年の製造業の現場では、必須ともいえる「NCプログラム」。
品質の安定化や生産性の向上のためには欠かせないものです。
そこで今回は、NCプログラムについてご紹介します。
この記事では、メリットやプログラミング方法の種類にも触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。
NCプログラムとは
「NC」とは、「Numerical Control」の略で、日本語にすると「数値制御」のことです。
具体的にいうと、軸の位置や回転数などを数値で指定したプログラムに基づいて、機械が自動で加工を行うものを指します。
そして、そのためのプログラムが「NCプログラム」です。
従来は作業員が手作業でハンドルやレバーを操作して工具を動かす加工が一般的でしたが、製造業においてもデジタル化が進んだ昨今では、NCプログラムでの加工が多く採用されています。
NCプログラムでは、使用する工具の種類や位置、速度、回転数、加工の順番などを、座標やコードを用いて指定します。
後は、プログラムを入力することで、機械が自動で加工を行ってくれます。
プログラムというと難しく感じますが、初心者でも扱いやすい、比較的、簡単に行えるプログラミング方法もあります。
詳しくは後述しますので、参考にしてみてください。
NCプログラムとCNCプログラムの違い
NCプログラムとよく似た言葉に、「CNCプログラム」があります。
「CNC」は「Computer Numerical Control」つまり「コンピュータ数値制御」のことです。
NC工作の機械が使用されはじめた当初は、制御装置として演算回路やトランジスタを使っていました。
一方で、CNC工作の機械は、コンピュータによって制御を行います。
ただし、現在のNC工作機械はコンピュータを搭載したものがほとんどです。そのため、多くの場合、あえてCNCプログラムと呼び分けることはしなくなりました。 現代では、NCプログラムといえば「コンピュータ数値制御のプログラム」と判断して問題ないといえるでしょう。
NCプログラムを使用するメリット
では、NCプログラムを使用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
4つのメリットをご紹介します。
品質の安定
一つ目のメリットは、品質が安定する点です。
人が手作業でハンドルやレバーを操作する従来の方法では、作業員の技術や経験・体調などの影響により仕上がりに差が出るケースも多く見られました。
NCプログラムを使えば、プログラムに従って機械が毎回同じ動きで工作してくれます。そのため、個人の技量差のほか、疲れによるミスなどもなく、不良品の発生を減らすことが可能です。
生産性の向上
機械が自動的に加工を行うNCプログラムは、人が手作業で加工する場合と比べ、無駄な動きを減らせます。
そのため、一つひとつの製品を手作業よりも速く製造できるケースが多いです。
加工の速度は調整できるため、生産計画に合う加工時間の管理を容易に行えます。
プログラムや機械によっては、1人のオペレーターが複数台の機械を同時に操作することもできます。
そのため、空いた人手を他の作業に費やせたり、人件費の無駄を削減できたりする点もメリットの一つです。
さらに、工具を入れ替えて一台で複数の作業が行える機械なら、設置スペースや製品移動の手間も省けます。
加工精度の向上
NCプログラムでは、非常に細かい数値を設定できます。導入する機械や設定によって異なりますが、μm単位での設定ができるものも多く、手作業の場合の微調整と比べて加工精度は段違いだといえるでしょう。
また、手作業では1人で行うことが難しい3軸・5軸加工も、NCプログラムであれば簡単に行えます。
安全性の向上
作業員が直接加工を行う従来の方法では、切屑が飛んでくるなど、一定の危険は避けようがないものでした。
一方でNCプログラムの場合、加工を行うのは機械です。オペレーターは扉越しなど安全な場所で操作できるため、安全性も大きく向上します。
NCプログラミングの方法
NCプログラミングの方法には、大きく分けて2種類があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
マニュアルプログラミング
一つ目の方法は、マニュアルプログラミングです。「手打ち」「直接入力」などとも呼ばれます。
マニュアルプログラミングでは、NC工作機械に備え付けられた操作パネルに、コードを直接打ち込むことでプログラミングを行います。
シンプル・単純な加工や入力済みのプログラムの修正など、操作数の少ないものであれば、短時間で手軽に行えます。
導入コストが少なく済む点もメリットです。
一方、専門的なコードの知識が必要で、扱える人が少ないという難点もあります。
自動プログラミング
2つ目の方法は、自動プログラミングです。
その名の通り、コード入力する必要なく自動でプログラムが作成される方法です。
自動プログラミングの一つに、「対話式」という手法があります。
これは、マニュアルプログラミングのように、NC工作機械に備え付けられた制御パネルで行うプログラミング方法の一つです。
ただし、コードは必要なく、条件や寸法を入力することで機械がプログラムを自動作成してくれます。機械と対話するようなかたちでプログラミングするため、対話式と呼ばれています。
もう一つの自動プログラミング手法は、CAD/CAMなどのソフトウェアを使用する方法です。
この方法では、NC工作機械の制御パネルではなく、パソコンを使ってプログラミングを行います。
ソフトウェアによって、工具や順序を指定する必要があるものや、図面データから自動的にプログラムを作成してくれるものなどがあります。
作成したプログラムは、USBメモリ、CFカード、ネットワークなどを介して制御装置へ転送可能です。
自動プログラミングは、マニュアルプログラミングに比べて必要な専門知識が少なく、初心者でも扱いやすいとされています。
また、熟練したオペレーターであっても、作業は複雑でないほうがミスは起きにくいものです。
複雑な加工が多い場合、自動プログラミングを取り入れることで、ミスを防ぎやすくなるでしょう。
まとめ
今回は、NCプログラムについて、概要やメリット・プログラミングの方法をご紹介しました。新たにNCプログラムを導入しようと考えている方や、NCプログラムについて学ぶ必要がある方の参考になれば幸いです。
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