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製造業の業務プロセスとは?効率化する方法や改善するメリットを解説

最終更新日:2025.02.09 / 公開日:2025.01.31

どのような業界でも、業務プロセス(業務の流れ)を把握し、改善することは非常に重要です。 製造業においても、業務プロセスを改善することで、生産の効率化につながります。

しかし、どう改善すれば良いかわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、製造業の業務プロセスについてご紹介します。製造業においてよく見られる課題や、効率化の方法、改善するメリットを解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

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製造業の業務プロセスとは

業務プロセスとは、企業において日常的に行われる業務の流れのことです。
製造業の場合、主に注文を受けてから製造、販売に至るまでを指します。

業務プロセス全体を見ると、一つの部門で完結しているケースはまれです。
どのような業種でも、製造部門・営業部門・事務部門など、さまざまな部門が関わり合って業務をこなしています。 部門同士がスムーズに連携するためには、業務プロセスが適切であることが重要です。

製造業の業務プロセスには、大きく分けると以下の5つの工程があります。

  • ・受注管理
  • ・生産計画
  • ・生産
  • ・出庫
  • ・出荷管理

また、これらの工程とは別に、並行して行うべきプロセスが「進捗管理」です。
ここでは、5つの工程と進捗管理について解説します。

1.受注管理

初めの工程は「受注管理」です。
その名の通り、顧客からの注文を管理することを指します。営業部門や販売部門が担当することが多く、見積もりや契約といった作業も含まれます。

2.生産計画

受注内容に基づいて、生産全体の計画を立てるのが「生産計画」です。
スケジュールはもちろん、時期ごとの生産能力や自社の状況などを把握し、適切な計画を立てる必要があります。

3.生産指示

「生産指示」は、生産計画をもとに、実際に生産を行う指示を出す工程です。
生産計画だけでなく在庫の状況や生産の進捗などに気を配り、正確な指示を出すことで、生産がスムーズに進むよう導きます。

4.出庫指示

生産が完了した商品を出荷する指示を出すのが、「出庫指示」です。
どの商品をどの顧客へ出荷するかの指示のほか、スケジュールや商品の保管場所なども考慮し、生産完了前から計画を練ります。

5.出荷管理

商品を出庫した後の管理が「出荷管理」です。
納期通りに納品できるよう、出庫した商品の数量、状態、輸送中の現在位置などを管理する必要があります。

進捗管理

業務プロセスを効率よく進めるためには、並列して行う進捗管理が欠かせません。
進捗管理とは、業務プロセスが適切に進行しているかを管理することです。工程に遅れがないか、エラーがないかなどを確認します。

製造業の業務プロセスにおける課題

業務プロセスの改善・効率化は、製造業の業績向上には不可欠だといえます。
効率化や改善を行うには、まず課題を把握する必要があります。
製造業の業務プロセスにおいて、よく見られる課題を確認しておきましょう。

人材不足

製造業における最も深刻な課題のひとつが、慢性的な人材不足です。
少子高齢化の進行により、製造業の人材不足は今後、より大きな問題になると予想されます。

人材確保に努めるのも課題解決の方法として考えられますが、減り続ける労働人口の中で人手を確保し続けるのは困難でしょう。
そこで、業務プロセスを改善し、少ない人員でも負担を減らしながら業務をスムーズに進められるよう、効率化を図ることが重要だといえます。

業務の標準化の難しさ

多様な商品を一定の品質で、かつ効率よく生産するためには、業務の標準化が欠かせません。
作業員によって作業方法が異なったり、スピードや作業の質にばらつきがあったりすると、生産効率が下がってしまいます。

しかし、機械化が難しい作業もあります。そういった属人化しやすい点は、製造業の大きな課題です。
ベテランの作業員は感覚で作業をしているというケースも多く、マニュアルに落とし込むのが困難な場合もあります。

管理や手配などの作業ミス

数量のカウントミス、分量の間違い、伝達もれなど、作業のミスが起こりやすい点も製造業における課題として挙げられます。
作業の機械化を進めたとしても、生産計画にミスがあったり、操作ミスをしたりと、管理や手配のミスが起こり得ます。

機械化やDXによって人の手が介入するプロセスを極力減らしつつ、チェック体制も整えていく必要があるでしょう。

製造業の業務プロセスを効率化する方法

製造業における課題を解決し、業務プロセスを効率化するには、どのような方法が考えられるのでしょうか。
それぞれの企業内で行える効率化の方法を、3つご紹介します。

5S活動

古くは1950年代ごろから重要視されてきたとも言われる5S活動の徹底は、業務プロセスの効率化にも効果があります。

5S活動とは、頭文字が「S」である以下の5つを表しており、製造現場の環境改善に役立つとされています。

  • ・整理:不要な物を処分したり、片付けたりする
  • ・整頓:物の所定位置を決め、使いやすく配置する
  • ・清掃:清掃を習慣化する
  • ・清潔:整理・整頓・清掃活動チェック・見直し、きれいな環境を保つ
  • ・しつけ:これらの活動を従業員に習慣づける仕組みを作り、教育する

5S活動を徹底することで、物を探す手間が省け、作業しやすくなります。
また、常に清潔な状態を保つことで、日々の清掃にかかる時間も短くなるでしょう。 一つひとつは小さなものでも、無駄をなくしていくことで、結果的に業務プロセスの効率化につながります。

業務の可視化

業務プロセスを改善するには、自社の現状の問題点を探る必要があります。
そのためには、まず業務内容を可視化することが重要です。

業務内容の可視化にはさまざまな方法がありますが、システム化・デジタル化してデータを蓄積する方法が一般的です。 製造業の業務プロセス可視化・分析に適したITツールも展開されているので、導入を検討するのも良いでしょう。

システムの導入

作業員の手作業で行う業務が多いと、その分だけ人為的なミスが発生しやすくなります。 ITツールなどのシステムを導入することで、ミスを減らしつつ、業務を効率化できます。

先ほど触れた業務の可視化・分析ツールのほか、作業の機械化・オートメーションを行うシステムも、業務効率化に役立つでしょう。
た、タブレット端末の導入によってペーパーレス化を図ったり、バーコードやタグを活用してカウントミスを防いだりといったデジタル化も考えられます。

自社の現状や目標に合わせて、適切なITシステムの導入を検討しましょう。

製造業で業務プロセスを改善するメリット

製造業の業務プロセスを効率化する方法をお伝えしましたが、業務プロセスの改善にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
主なメリット4つをご紹介します。

生産性の向上

まず、最大のメリットであると言えるのが、生産性の向上です。
業務プロセスを改善して無駄や負担を減らすことで、同量の人員・時間・コストでも生産量を増やせます。

日本全体で人材不足が進む中で、少ないリソースで多くの商品を生み出せる企業には強みがあります。 生産性が向上すれば利益率も上がり、従業員の満足度向上や離職率の低下にもつなげられるでしょう。

品質の向上

業務プロセスの各工程を効率化すれば、人為的なミスや作業スピード・質のばらつきを減らせます。 そのため、全体的な商品の品質向上も期待できます。
商品の品質向上は顧客満足度の向上につながり、業績アップにも役立つでしょう。

コストの削減

さまざまなコストが削減できることも、業務プロセス改善のメリットです。
不良品の減少による廃棄コストの削減、機械化による無駄な人件費の削減などが考えられます。

DXの促進

昨今、どの業界でも「DX」が推進されています。

DXとは「デジタル・トランスフォーメーション」の略で、デジタル技術を既存のビジネスに取り入れる変革のことです。
DXが注目されているのは、製造業も例外ではありません。

しかし、ただシステムや機械を導入しても、業務プロセスに問題があってはうまく稼働しない可能性があります。
業務のDXを検討しているのであれば、まずは業務プロセス改善から手掛けることをおすすめします。

まとめ

製造業における業務プロセスの改善・効率化は、生産性の向上やコスト削減など、企業の競争力を高めることにつながります。
今回の記事を参考に、ぜひ業務プロセス改善に取り組んでみてください。

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