1990年、アップル製PC「マッキントッシュ」版のCAMソフトウェアにて、マウス操作を取り入れたCAMの開発・普及に先駆的に携わる。以降、2次元から3次元CAMまで、多くのCAD/CAMソフトの開発および販売に携わり、金型加工や部品加工、多軸加工など、幅広い製造分野に精通。
ポストプロセッサ/加工シミュレーションに加え、切削加工現場のデータ通信システムにも精通。過去には職業訓練校の臨時特別講師を務め、現在も全国のCAMユーザーを技術支援・運用改善でサポート。
最終更新日:2025.04.28 / 公開日:2025.01.07
製造業DXが進まない理由とは、主に次の5点です。
製造業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)は、業務効率化や競争力向上を実現するための重要な手段とされています。
しかし、現実には多くの企業がDX推進に苦労し、進展が停滞している現状です。
なぜ製造業ではDXが進まないのでしょうか?
本記事では、その理由を深掘りし、成功に向けた具体策を提示します。

製造業DXとは、製造業において最新のデジタルテクノロジーを活用し、プロダクトや業務、顧客体験、ビジネスモデルなどを変革させることをいいます。
製造業を取り巻く環境は、グローバル化や技術革新の進展により激変しています。このような状況下で生き残り、成長を続けるためには、DXによる変革は、もはや選択ではなく、不可欠であり、生き残りをかけた必須の取り組みだといえます。
製造業におけるDXでは、具体的には、IoTやAI、ビッグデータ分析、クラウドコンピューティングなどの技術が活用され、以下のようなメリットが期待できます。
製造業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)は、生産性向上やコスト削減、品質改善を実現するための重要な取り組みです。
しかし、多くの企業がDX推進に苦戦し、取り組みが停滞している現状です。
ここでは、製造業DXが進まない5つの主な理由について解説します。
DX推進の最初の障壁は「社内理解度の低さ」です。
多くの企業では、経営層や現場社員がDXの本質を理解しておらず、DXが単なる「IT化」や「デジタル導入」と捉えられ、「ITシステムを導入することがDXだ」と誤解されているケースが多く見られます。
また、現場社員が新規システムやプロセスに抵抗を示すことも少なくありません。
DXを推進するには、経営戦略に基づいた明確なビジョンが必要です。
しかし、「何のためにDXを行うのか」「どのような未来を目指すのか」が不明確なままプロジェクトが進行してしまう企業が少なくありません。
この結果、経営層と現場で目指す方向性にズレが生じてしまったり、長期的な視点が欠け、短期的な効果のみを目指してしまったりすることになります。
DX推進には、専門知識を持つ人材と、それを支える適切な環境が不可欠です。
しかし、多くの製造業ではIT人材が不足しており、DXプロジェクトを牽引できる人材がいないことが課題となっています。
DX推進には十分な予算と人的リソースが必要ですが、多くの企業ではほかの経営課題への投資が優先され、DXへの予算が後回しにされがちです。
DX推進に必要な予算が確保されていないだけでなく、リーダーや担当者がほかの業務と兼任していることから、DXに十分なリソースをさくことができません。
DXはあくまで「手段」であり、「目的」ではありません。
しかし、「DXを進めること自体」が目的化してしまい、本来の目的である業務改善や新たなビジネスモデルの創出にはつながらないケースが少なくありません。
このような課題に対し、具体的な3つの対策をご紹介いたします。
製造業DXを成功させるためには、経営層がDXの本質を理解し、組織全体にビジョンを共有することが不可欠です。多くの現場担当者は、DXを単なる「IT導入」や「コスト削減の手段」と誤解しています。そのため、経営層自らがDX推進の旗振り役となり、DXの意義や目標を明確に伝えることが重要です。
具体的なアクションプランとしては、次の3点をおすすめします。
DXを推進するには、デジタル技術に精通した人材が必要です。
しかし、多くの製造業企業ではIT人材やデータアナリストが不足している現状が
あります。
また、既存の社員にデジタルスキルを習得させる取り組みも不十分です。
具体的なアクションプランとしては、次の3点をおすすめします。
DXの効果を最大限に引き出すためには、適切なデジタル環境が不可欠です。
システムやデータ基盤が整っていなければ、デジタルツールを導入しても効果を
発揮できません。
具体的なアクションプランとしては、次の3点をおすすめします。
製造業におけるDXは、多くの企業が重要性を理解しながらも、具体的な推進方法や成功への道筋が見えずに停滞するケースが少なくありません。
そこで本章で、製造業DXを着実に進め、成功へと導くための4つのステップをご紹介します。
DXを成功させるためには、まず現状の業務フローや課題を正確に把握し、デジタル化が必要なポイントを洗い出すことが重要です。
生産ライン、サプライチェーン、設備管理、人材配置など、各領域におけるボトルネックや非効率な部分を可視化し、具体的な改善策を検討しましょう。
たとえば、次のような取り組みを行います。
DXの成功には、組織全体で共有できる明確なビジョンと目的が不可欠です。
「なぜDXを進めるのか」「どのような姿を目指すのか」等の問いに対する答えを経営層~現場社員まで共有し、共通のゴールに向かって取り組む必要があります。
たとえば、次のような取り組みを行います。
DXは一度に全てを変革しようとすると、現場の混乱や反発が起きることがあります。また、方向性が正しいかどうかは、実際に試してみないとわからない部分も大きいものです。
そこで、小さなプロジェクトからスタートし、成功体験を積み重ねることで、徐々に組織全体へと展開することが大切です。
たとえば、次のような取り組みを行います。
DXを推進する上で、適切なデジタルツールの選定が非常に重要です。目的に合わないツールや過剰なシステム投資は、DXの失敗に繋がるリスクがあるからです。
たとえば、次のような取り組みを行います。
「Autodesk Fusion」がおすすめのツールです。製品設計やシミュレーション、最適化に特化したデジタルツールで、設計データを一元管理し、チーム間での連携を効率化することが可能です。
製造業におけるDXは、業務効率化、コスト削減、生産性向上、品質管理の最適化、さらには新しいビジネスモデルの創出を可能にする重要な取り組みです。
しかし、その一方で多くの企業がDX推進において様々な課題に直面しています。
DXの本質は「デジタル技術を活用して、ビジネスと業務を根本から変革すること」です。 また、DXは一度の施策で終わるものではなく、継続的な改善と進化が求められます。経営層の強力なリーダーシップ、現場社員の理解と協力、適切なデジタルツールの活用が成功のカギです。
本記事で紹介した課題と解決策、ステップを参考に、自社のDX推進を再評価し、できるところから一歩ずつ進めてください。