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ポストプロセッサとは?CAMにおける重要な役割とデータ変換の流れ

最終更新日:2022.04.21 / 公開日:2022.03.18

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CAM内で作成されたデータは、そのままの状態で工作機械に流し込んでも、正常に動作させることができません。CAMが独自言語で作成されるように、工作機械にも理解できる言語に種類があるのです。ポストプロセッサは、そんなCAMと工作機械をつなぐための橋渡し的な存在として、なくてはならないものといえるでしょう。ここでは、ポストプロセッサの基礎知識をはじめ、その重要性なども含めて詳しく解説します。

「ポストプロセッサの基礎知識」

そもそも、CAMにおいてポストプロセッサとはどのようなものなのか、詳しくご紹介していきます。

ポストプロセッサとは

一般的に、CAMの中には、2種類のプロセッサが存在しています。「メインプロセッサ」と「ポストプロセッサ」が存在しており、ポストプロセッサは、「POST」と名付けられるように、メインプロセッサの後の処理段階で必要な機能です。つまり、ポストプロセッサとはメインプロセッサが計算した工作機械の工具経路、いわゆるツールパスデータ(CLデータ)を、工作機械が読み取るためのNCデータに変換する役割を有しています。

実は、CAMがXY軸などで工具経路を計算する際には、CAM独自の言語で算出されるのです。しかし、この独自言語で算出されたデータは、工作機械のコントローラはそのままで理解することができずに機会を適切にコントロールすることができません。また、工作機械は複数の企業が展開しているものであり、それぞれに言語が微妙に異なるのです。

ポストプロセッサは、CAM内で作成したCLデータを自社で使用している工作機械や制御装置に合わせて、適切な言語に変換することができるようになります。なお、CLデータをNCデータに変換するためにポストプロセッサが行う作業をポスト処理といいます。

ポストプロセッサがデータを変換するまでの流れ

工作機械を動かすためには、経路となるXY座標はもちろんのこと、切削や軸加工、そして加工角度や工具交換など、細かく指令する必要があります。また、場合によってはテーブル旋回の円弧を含んだ加工データの出力も必要です。CADで作成された図面形状を基に、CAMを使ってツールパスという工具の軌跡情報をCLデータという形で作成するのです。そして、ポストプロセッサがポスト処理により、CLデータを座標系に変換して、指令コードを加えて工作機械用のNCコードとしてファイル出力します。

「CAMにおけるポストプロセッサの重要性」

CAMにおいて、ポストプロセッサがどれだけ重要なのかについて、ご紹介します。

ポストプロセッサの精度でCAMの良しあしが決まる

ポストプロセッサの性能次第で、成果物の完成度に違いが生じるといっても過言ではありません。一言でデータ変換といっても、その変換後のデータ内容はポストプロセッサの能力で変わってきます。たとえば、工具先端の細かな動きや、回転軸や同時に工具が動作する際の挙動など、すべてが変換後のデータ精度に左右されるのです。

そのため、どれだけ工作機械の精度が細かくて優秀であっても、指令を出すデータが悪ければ、加工精度は極端に落ちてしまうでしょう。特に、特定のCAM専用プロセッサの場合、想定外の工作機械に使おうとすると動作しなかったり、細かな補正や補間ができなくなったりしてしまうことがあるので注意が必要です。自社のCAMだけでなく、多様なCAMデータが必要な場合は、汎用ポストプロセッサを選択するとよいでしょう。

また、その中でも精度の高いポストプロセッサを導入しておけば、より精度の高い加工物を作成することも不可能ではありません。たとえば、微小な点によって作成された直線データは、円弧補間を用いて滑らかに最適することができる機能などもあるのです。

カスタマイズが必要な場合もある

一般的にポストプロセッサは、出荷時標準搭載のシステムで使用することができます。しかし、加工内容によっては標準搭載のポストプロセッサでは、十分な動作をすることができないことがあるでしょう。このような場合は、ポストプロセッサをカスタマイズして、目的の加工ができるように対応する必要があるでしょう。

ただし、カスタマイズは簡単にできるものではありません。ポストプロセッサの言語や制御盤についての高い知識が必要となるので難易度が高いので、カスタマイズを検討する場合は注意が必要です。

「ポストプロセッサの追加も対応可能な『FeatureCAM』」

FeatureCAMの魅力

「FeatureCAM」は、設計データからNCコード作成までのフローを自動化することができるCAMソフトです。必要な部分だけを拡張していくことが可能なので、投資を最適化して費用対効果を向上させることができるという魅力があります。導入当初は最小限のシステム構成であったとしても、徐々に拡張していくことができるため、長期間使用することができるでしょう。

ポストプロセッサについても、追加対応が可能ですので、自社内で工作機械が増えたとしても、CAMはそのままで使い続けられます。工作機械については、さまざまなメーカーに対応しているポストプロセッサとなるので、幅広い分野で活用することが可能です。さらに、ポストプロセッサの設定を公開しているので、必要に応じて任意に作成や編集することもできます。また、フアクトケアサポートに加入することで、ポストプロセッサの編集アドバイスなどのサービスも受けられます。

「自社で必要なポストプロセッサを把握して導入しよう」

CAMで作成されたGコードをはじめとするCNCコードなどは、そのままで工作機械に読み込ませることができません。ポストプロセッサを使用して、工作機械用にデータ変換させることで工作機械をコントロールすることができるようになるのです。ポストプロセッサの精度によって、工作機械の加工精度に影響がありますので、自社の工作機械にあったポストプロセッサを搭載しているCAMや汎用ポストプロセッサが搭載されたCAMを選択するようにしましょう

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