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ミーリング加工とは?フライス盤を使用した切削加工の種類と使用工具

最終更新日:2022.08.23 / 公開日:2020.07.27

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フライス盤やマシニングセンタを含む工作機械には、さまざまな加工処理が行えるようになっています。これによって、複雑な形状の加工物の作成が可能となってはいるものの、これからCAD/CAMならびに工作機械を導入しようとする場合、どのような加工処理かそもそもわからないという方も少なくありません。ここでは、さまざまな加工処理の中でもミーリング加工とは、どのような処理を行うものなのかについて詳しくご紹介します。

ミーリング加工の基礎知識

ここでは、ミーリング加工とは実際どのようなものなのか、解説します。

ミーリング加工とは?

ミーリング加工とは、一般加工品において重要な切削加工の一つであり、ミーリング加工のことを、フライス加工や添削などと呼ぶケースもあります。材料の平面部や曲面部を加工する際に使用する加工方法です。材料である被削材を固定した状態で、エンドミルやフライスなどの回転する工具を使用して、対象物を切削していきます。

被削材としては、箱状のものや角ばったもの、そして板状のものなどが用いられるケースが多いでしょう。ミーリング加工は、フライス盤やマシニングセンタなどの工作機械を用いて加工作業が行われます。

フライス盤とは?

フライス盤とは、ミーリングマシンとも呼ばれており、回転する軸にフライスを取り付けて、切削加工を行う機械のことです。切削したい加工物は、バイスなどによって固定しており、回転しているフライスを当てて加工作業を行います。なお、加工物を回転させて、刃物を当てて加工する機械を旋盤と呼びます。

フライス盤といっても、さまざまな種類があり、膝型フライス盤や生産フライス盤、平削りフライス盤、特殊フライス盤、NCフライス盤などさまざまです。もし、CAD/CAMを用いて作成したNCデータを使って、加工作業を自動化させたい場合は、NCフライス盤を使用する必要があります。NCフライス盤だけが、NCデータを読み取ることができ、その他のフライス盤については、自動加工機能が存在していないので、作業員や職人が自分で調整をしながら加工をしていくことが必要です。

ミーリング加工で使用する主な工具

ミーリング加工において、使用する工具としては、ボアタイプの工具とシャンクタイプの工具の2つあります。ボアタイプというのは、フライスなどの加工工具で、シャンクタイプはエンドミルなどの加工工具が該当。ここでは、特に使用されやすい工具について、ご紹介します。

正面フライス

正面フライスは、円筒状の形をしている工具であり、側面に切削をするための複数の切刃をもっているボアタイプの加工工具です。正面フライス削りなどの、広い平面を切削する場合に使われることが多く、フェイスミルと呼ばれることもあります。円筒部分と刃先部分が別々になっているものが人気であり、これであれば削りにくくなった場合でも、刃先を交換するだけで何度でも元の切れ味を取り戻すことが可能です。

平フライス

平フライスは、プレーンカッターとも呼ばれており、正面フライスと多少形の違うボアタイプの加工工具です。外周に刃がついた工具で横型フライス盤などで使用されることが多く、平面加工の際に用いられます。ただし、正面フライスのほうが切削効率が良いことから、近年ではあまり使用されない傾向です。

エンドミル

エンドミルは、ドリルのような見た目のシャンクタイプ工具であり、外周や側面に刃がついている円柱型の工具を指します。外周や曲面の切削、穴加工・溝加工などさまざまな加工で利用されることが多い傾向です。刃物の種類としては、ソリッドやロウ付け、スローアウェイなどがあり、スローアウェイは先端の刃先を交換できるので、切れ味を維持しやすいというメリットがあります。

エンドミルの回転方向と加工物の移動方向が同じであるダウンカット、逆の方向で移動させるアップカットがあります。ダウンカットのほうが、エンドミルのダメージが少なく長く使用することができるものの、鏡面仕上げなどの光沢を出すことができません。加工したい成果物や、目的に合わせてカット方法を選ぶとよいでしょう。

ミーリング加工の主な種類

ここでは、ミーリング加工の主な種類について、ご紹介します。

平面加工

平面加工は、テーブルと平行な面になるように切削する加工方法です。正面フライスや平フライスを使って加工します。特に切削効率や精度として優れているのは、正面フライスです。エンドミルを使用する事例があるものの、時間がかかるのでおすすめできません。

側面加工

側面加工は、材料の側面を切削する加工方法です。テーブルに対して垂直に平面部分がある状態で、正面フライスやエンドミルを用いて加工します。

溝加工

溝加工は、材料に溝を掘るための加工方法です。主にエンドミルなどを使用して、袋溝やキー溝、フル溝のフライス加工をします。

その他にも、上記加工方法を応用して、段加工や穴加工などの加工をすることが可能です。

フライス盤でミーリング加工を使いこなそう

ミーリング加工は、フライス盤やマシニングセンタを使う加工の中でも重要な切削加工の一つであり、平面や曲面、溝加工から穴加工など、さまざまな加工に対応しています。フライスやエンドミルなどの工具を装着して、固定した材料を加工することができる機械です。フライス盤や、工具の組み合わせによって、さまざまな加工が可能となりますので、使い方を良く学んでミーリング加工を使いこなしてみましょう。

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