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3DCADを導入するメリットとは?立体的な製図を実現するシステムの基本

最終更新日:2024.02.13 / 公開日:2019.03.07

CADを導入する際は、システムの種類や機能が実にさまざまなので、何を選べばよいかわからなくなってしまうことも多いでしょう。単に取引先と同じCADを使用することもできますが、設計手順を考慮すると、場合によってはより安価なCADで対応できるかもしれません。ここでは、3次元CADの種類やCADを導入する際のメリット、CADを選ぶ際の注意点を具体的な製品の特徴とあわせて紹介します。

3DCADとは?

3DCADの基礎知識

3DCADは工業製品の建築物の設計を行う際に使うCADで、1980年代ごろから普及し始めました。3Dデータを作成する際は、もともとCADが持っている立体を重ねたり削り取ったりして組み合わせていきます。また、一旦CADで3次元形状作成すると、それをもとに図面を自動生成させることもできます。さらに寸法を定義したり関数やルールで形状を動かしたりする機能やCAE機能を有するCADもあります。

3DCADの種類

・ハイエンドCAD

自由曲面を使用する部品や関数を使用して作成する部品を作成する場合や、部品点数が多く複雑な設計を行う場合に使われるCADです。主に航空機や自動車、家電などの設計に使われます。

・ミッドレンジCAD

ハイエンドCADに比べ比較的低価格で購入できるCADです。ハイエンドCADと比べると操作はシンプルですが、主要機能はほぼ同様で、設計変更やCAEに対応しています。

・ローエンドCAD

機能を厳選したシンプルなCADです。ハイエンドCADやミッドレンジCADのように高スペックなパソコンでなくても使えます。数万円程度と安価なものからフリーソフトまであり、個人で所有する人も多くなっています。

3DCADを導入するメリット

図面が読めない人にもわかりやすい

図面はある一方向からの情報が書かれています。また、形状線や引き出し線、陰線などさまざまな種類の線も含まれています。実際の部品形状は複数の情報をもとに頭の中で立体を組み立てて判断するため、図面を読みとく一定の知識が必要です。一方、3D形状があれば、図面が読めない取引先のお客様やエンドユーザーでも形状が直感的に理解できます。そのため自社製品のプレゼンテーションをする場面などで活用できます。特に最近は3D形状をPDFで出力できるCADが登場しています。3次元データを見るためのビューアなど特別なツールが必要ないため、簡単に情報共有ができます。

試作品を簡単に製作することができる

複雑な曲面があるなどで図面の読み取り工数がかかる部品であっても、3次元形状があれば形状を理解するための工数を削減しすぐに加工方法の検討ができます。また、3DCADで部品を組みあわせた際の干渉チェックや解析などができるため、ケアレスミスや設計の後戻りを防げます。

3Dプリンターのデータとして使用することができる

CADで作った3D形状があれば、試作に関わる工数や費用の削減にもつながります。手元に図面しかないときに試作部品が必要になると、仮型や簡易型を起こす対応が必要です。これに対して3Dプリンターの元データに3DCADデータを流用できれば、3Dプリンターの材料代のみで試作用の形状が作れます。そのため企業だけでなく個人でも3次元形状を作成するメリットがあります。

データを二次元化することもできる

3次元CADで3Dデータを作成していれば二次元図面への投影は非常に簡単です。また、部品の内部構造が作りこまれているので、図面の機能で断面図が簡単に作成でき、形状が確認しやすくなります。切断した形状のみを作成したり部品をカットした際に見える全ての形状を表示させたりという切り分けも簡単です。

導入におすすめの3DCAD

Fusion(Fusion360)

種類:ミッドレンジCAD
主な特徴:
サブスクリプション販売の3DCAD/CAMです。年間契約なので、導入時コストを大幅に削減できます。初めてCADを使用される方や導入リスクを懸念されている方にお勧めです。モデリング、図面、アセンブリ、板金、メッシュ編集、フォームなどに対応しており、様々な分野で活躍できるソフトウェアです。2ヵ月に1回程度のアップデートがあり、ユーザーからの要望などを多く取り入れてい進化し続けています。アップデートは自動で行われるので、インストール作業などの手間はかかりません。

SOLIDWORKS

種類:ミッドレンジCAD
主な特徴:
ミッドレンジCADのなかでは国内No.1のシェアを誇る3DCADです。設計変更のしやすさや使いやすさに定評があり、設計者からの要望を反映した機能開発が行われています。また、電気系CADや板金データへの変換をはじめSTEP、IGES、STLといったさまざまな中間ファイルの読み込みに標準対応しており、設計のみならずデータ変換ツールとしても優れています。

NX(FF/eye)

種類:ハイエンドCAD
主な特徴:
ハイエンドCADのNXに、工作機械メーカーの牧野フライス製作所が開発したCAMをアドオンした3DCAD/CAMです。部品設計やアセンブリ、CAE機能があるのはもちろん、金型製作に必要な機能やNX金型機能を盛り込むなどモジュールを選ぶことで設計、製造、解析という製品開発のプロセスをトータルにサポートしています。自動車や精密機器、家電分野などで幅広く活用されています。

ZW3D

種類:ミッドレンジCAD
主な特徴:
価格はローエンドCADながらソリッドやサーフェスモデル、アセンブリ、作図に対応するミッドレンジクラスの機能があります。また、標準でCATIAやNX、SOLIDWORKSなど、多数のCADデータが読み込めるダイレクトトランスレータ機能をはじめ、読み込んだデータの自動・手動で修復するヒーリング機能を搭載しています。なお、ZW3Dプロフェッショナルでは点群(STL)データからのリバースエンジニアリングにも対応しています。

BricsCAD

種類:ローエンドCAD
主な特徴:
AutoCADとの高い互換性を売りとしている低価格なCADです。
AutoCADカスタマイズメニューにも対応しており、AutoCADに代わる永久ライセンスの2次元CADとして活用できます。3Dモデリングや他CADのデータを直接読込む機能をオプションで追加することが出来ます。

3DCADの導入メリットは3Dデータの活用目的により異なる

1980年代から普及が始まった3DCADは、ハイエンド、ミッドレンジ、ローエンドと大別でき、それぞれの価格や機能も大きく異なります。より効果的にCADを導入するには、3DCADを導入する目的を明確にすることが大切です。たとえば形を見るだけならローエンドCADでも十分役割を果たしますが、複雑な形状を作りたい、設計変更に追従させたい、CAMとのデータ変換ロスを減らしたいというニーズがあれば、ミッドレンジやハイエンドCADが必要となるでしょう。組織によって対応すべき課題は異なります。単にCADを導入するだけでは機能に振り回されて設計効率が悪くなる恐れがあるため注意が必要です。

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