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機械図面に記載が必要な公差とは?寸法公差と幾何公差の違い

2020年02月03日(月) 更新

機械設計では部品一つ一つの形状がどうなっているかが重要です。設計者と生産担当者との意思疎通をするためには図面上に部品の形状や寸法などを正確に記載しなければなりません。その際、単に穴さえ開いていれば大丈夫という場合と、穴自体が機能上の重要な役割を持っていて穴の位置や寸法が重要になる場合とでは寸法に対する条件が異なります。特に、管理したい寸法については、図面に条件を細かく定義します。この記事では、機械設計で盛り込む公差の基礎知識として公差等級や寸法公差と幾何公差の違いなどについて解説します。

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機械図面に記載する公差の基礎知識

公差とは

公差とは、ある部品を作成した場合や組み立てた場合における大きさの許容される範囲のこと。図面上には実際に作成したい設計寸法に対する最大値と最小値を定義するのが一般的です。公差のなかで、特にJIS(日本工業規格)で規定されている公差は普通公差と呼ばれます。普通公差は、図面の寸法ごとに都度記載されるものではなく、JIS規格に記載されている表をもとに適用します。

公差の設定が必要な理由

ある製品を作成する場合、CADや図面上で寸法を定義すれば必ず狙い通りの寸法の形状ができあがります。しかし、実際のものづくりの現場では、加工や材料などさまざまな要因から必ず多少の誤差が生じ一つ一つの部品ごとにばらつきが起こりがちです。製造の現場では、できるだけ図面に記載された通りの寸法に近づけるようさまざまな技術革新を行っています。

しかし、それでもすべての量産部品を、厳密に狙った通りの寸法で製造するのは不可能です。また、測定する場合でも測定誤差が生じる可能性があります。そのため、製造したものが良品なのか不良品なのかが判断するために、公差で部品ごとのばらつきの基準を定義することが必要です。また、公差を設定して部品の合格基準が明確になると、加工にかかるコストが調整できるようになります。

公差等級とは

長さが10mmの部品であれば、0.1mm大きさが異なると組み立てられなくなるかもしれません。一方、長さが1mの部品であれば、0.1mmの大きさの違いはそれほど部品の性能に影響しないことが多いでしょう。また、そのまま置いて楽しむオブジェのようなものであれば、多少形状がばらついていても許容されることがあるかもしれませんが、精密機器に使われる部品では、可能な限り正確な寸法で作成する必要があります。

このように部品の用途に応じて、同じ大きさの部品であっても公差の範囲が緩やかなものと厳しいものがあるのです。JISの普通公差では、寸法や面取り、角度などの許容値を部品の大きさ(mm)と加工精度を組みあわせた等級表で定めています。加工精度は、精級(記号:f)、中級(記号:m)、粗級(記号:c)、極粗級(記号:v)の4つです。

寸法公差と幾何公差の違い

寸法公差とは

「寸法」とは、距離や位置、角度など、ある方向に対して部品がどのくらいの大きさなのかを示したものです。寸法を計測するには、測定器やノギスなどが用いられます。また、「寸法公差」とは寸法と組み合わせて使う部品や製品について許容されるばらつきの範囲です。

寸法と寸法公差は、指定した大きさとそのばらつきを定義するものなので、「どのくらい真円に近いのか」「面を広げた場合本当に平らなのか」といった形状を規制することはできません。そのため、形状の精度を重視したい場合には幾何公差も付け加えます。

幾何公差とは

幾何公差は部品や製品を製造した場合に、「実際の形状が幾何特性についてどのくらい許容できるのか」というばらつきの範囲を示したものです。図面では、寸法や寸法公差と併記して、形状や姿勢、位置などの設計意図を伝える役割があります。

例えば、棒に通して一緒に回転させる部品があった場合、それぞれの中心軸がずれていては部品がぶつかってしまい必要な機能が果たせません。幾何公差では、部品自体が厳密に測定した場合でも確かに軸が基準方向に対して「平行」「平面」「円」など形状自体の定義を行います。また、ある部品を基準にしてどの位置に配置すべきかなども定義できます。

機械図面に公差を記入するときの注意点

基準の横に小文字で記入する

寸法公差を作成する場合は、基準の寸法を大きく書き、その右横に基準の寸法の文字の大きさよりも小さく寸法公差の範囲を記載します。

片振り公差は2段にわけて重ねて記入する

上限値と下限値が異なる場合(片振り公差)は、小数点をそろえて公差の上限値を上、下限値を下として2段に重ねて記入します。また、上限値と下限値が同じ場合(均等振り分け公差)は、「±」の記号を用いて1段に書きます。公差が0の場合は「+」や「-」などの符号を添えません。

寸法公差は重複を避ける

部品の寸法すべてに対して寸法と公差をつけてしまうと、つじつまが合わなくなってしまいます。例えば、それぞれ長さが10(公差 ±0.2)の部位を2か所、全長を20(公差 ±0.2)と定義した場合、寸法上は10+10=20で問題ありません。

しかし、最小公差でみると9.8+9.8=19.6、最大公差でみると10.2+10.2=20.4となり、全長で定義した値20±0.2=19.8~20.2と矛盾してしまいます。このような矛盾をさけるため、寸法公差は管理すべき場所を検討しつつ重複をさけて付与することが大切です。

機械設計では公差を活用して寸法を定義する

機械部品を製造する場合、部品ごとの誤差の範囲を明示することが必要です。寸法公差や幾何公差を使い分けながら設計意図を表現します。寸法公差は、その大きさ範囲を示すものであり、幾何公差は形状自体の定義や部品同士の位置関係など幾何学的に定義するものです。それぞれの使い方には注意点もあります。しかし、部品が寸法と寸法公差だけでは表現しきれない場合には幾何公差も併用すると便利です。

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