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機械図面の基礎知識|作成のポイントとCADを使用する方法を解説

最終更新日:2022.08.23 / 公開日:2019.09.04

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昨今の設計では、CADを用いることが一般的で手書きで進めるよりも効率的だとされています。ただ、CADで作図するポイントを正しく押さえておかなければ、正確な図面を作ることはできず、追加で修正業務などが発生する可能性もあるでしょう。また、機械図面を作るための作成方法や投影法など基本的な知識についても同様に把握することが大切です。ここでは、機械図面に必要な知識やCADの使用方法、そして設計におすすめのCADシステムを詳しくご紹介します。

機械図面を作成するための基礎知識

機械図面に用いる投影法

一般的な機械図面の作成においては第三角法という投影法が用いられます。この方法は、品物を複数の視点から描く方法です。平面上に立体を表現するうえで、第三角法は非常にイメージしやすいため、日本やアメリカでは多くの場面で用いられています。

機械図面の作成方法

機械図面の作成にはCADソフトを使用します。CADとはComputer Aided Designの略で、製図データの作成だけでなく、管理や共有にも優れたソフトウェアです。実際に自動車や冷蔵庫、スマートフォンなど、多くの機械製品の図面設計に用いられており、手書きで行うよりも正確かつ綺麗な状態に作成できます。

手書きの設計であっても、図面を確認する人にとってわかりやすければ問題ありません。ただ、設計においては図面を書いて終わりではなく、修正が必要になるケースも多いです。そんなとき、手書きだと用紙が破れないように丁寧に消すなど手間がかかりますが、CADでは簡単な操作で済みます。また、手書きだと物理的に一人で設計することになりますが、CADでは複数人での設計も可能です。そのため、手書きよりもCADを使う方が一般的です。

図面作成のポイントとCADを使用した作成手順

機械図面を作成するときのポイント

形状が複雑で穴があるモデルや断面図を作成すると、図面も複雑になりがちです。そうなると、見た人が図面の意味を理解できず、修正を重ねることになります。わかりやすい図面作成では次の3つのポイントを押さえましょう。

・線の種類を使い分ける

設計図では目に見える部分だけでなく、中心線やかくれ線など何種類もの線を記入します。その全てを1種類の線で書いてしまうと、理解しづらい図形ができあがります。単純な形状であればいいですが、複雑になるほど表し方は難しくなるため、線の種類を使い分けて図示しましょう。対象物の形状を書く線は太い実線、寸法や角度を表す線は細い実線、かくれ線には破線を用いるなど、線を使い分けることでわかりやすい図面を描けます。

・各面を描く位置を守る

第三角法において、どの図面を正面に決めるかは任意です。ただ、正面図の上にあたる図面は正面図の上に、側面から見た図は正面図の左右といったように、方向に合わせて表記する位置を守りましょう。そうすることで、一見しただけでわかりやすい図面となります。

・面ごとの奥行きに注意する

側面図や平面図の奥行きは同じになるものですが、図面を作っていると、寸法の数値を読み違えることがよくあります。奥行きに違いが生じると、正しい図面とは言えません。図面は他者にとってもわかりやすく作る必要があります。作業者が複数存在する場合は、図面を共有することもあるため、製図では次のポイントに注意しましょう。

CADを使用した機械図面の作成手順

新規図面の作成手順

  • 1:製品全体と組立図を作成
  • 2:組立図から各部品図を作成
  • 3:部品を手配するための部品表を作成

既存図面の修正手順

  • 1:変更箇所の形状や寸法を修正
  • 2:変更箇所に三角記号を付け、変更した回数に応じて数字を振る
  • 3:表題欄などに変更内容を記入
  • 4:承認の印鑑をもらった後、図面管理部署に提出

機械図面の作成におすすめのCADシステム

製品名:SOLIDWORS

主な特徴: ミッドレンジクラスの3DCADにおいて4割以上のシェアを誇り、ソリッドモデリングCADとしては代表的なソフトウェアです。SOLIDWORKSは操作が簡単なことが特徴で、実務ではもちろん、初心者がCADで設計を始める際のソフトとしても最適です。CADでの設計は製作意図が曖昧になることもありますが、モデリングの過程が時系列で表示されるため、その心配もありません。

3DCADでは、一つ一つの機械部品の作成、3D上で組み立てなどが行えるだけでなく、部品同士の検証や質量・体積の計測も可能です。また、立体化することで視覚的にわかりやすいというメリットがあります。従来は2次元CADが主流でしたが、製作効率を上げられる3次元での設計を導入するケースが増加しています。そのため、将来的にも3DCADを導入することがおすすめです。

3DCADを導入して作業効率を上げよう

製図は図面を書いて終わりではなく、修正や共有、管理などさまざまな工程があります。従来の手書き設計だと、修正時にはピンポイントで丁寧に書き直さなければなりません。また、手書きで進めていると、物理的に一人で作業をする必要があり、仕事を分担することが難しいです。その点、CADソフトを用いて製図を行うと、修正や共有も簡単な操作で済むため、作業の効率を上げられます。

そして、製図の主流として用いられている3DCADであれば、3次元上で物体の体積・質量の計測が可能で、部品同士の干渉のチェックまで行えます。そのため、製造や加工段階でのズレが生じるリスクも小さく、製作コストの削減にも繋がるのです。このように、3DCADソフトを用いることは品質や作業効率の向上を期待できるため、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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