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【初心者必見】NC旋盤とCAMの基礎知識|スムーズな金属加工を実現するには?

最終更新日:2025.08.21 / 公開日:2025.07.08

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近年では、工業分野において工作機械でNC旋盤を使うケースは非常に多い傾向
です。コンピューター制御も進んでいるため、NC旋盤単体で使用するのは非常に困難であり、一般的にはCADやCAMを併用してNC旋盤を使用しなければならないことが珍しくありません。
ここでは、NC旋盤の基本的な知識や種類、そしてNC工作機械に欠かすことができないCAMの基礎知識などについて、詳しくご紹介します。

NC旋盤とは?

NC旋盤は、素材を回転させながら刃物を当てて切削加工を行う旋盤に、数値制御(Numerical Control)という技術が加わった工作機械です。 もともと手作業で行われていた旋盤加工は、1950年代後半に日本でNC旋盤が開発されたことで大きく進化しました。NC旋盤では、コンピュータープログラムに従って旋盤の動きが自動化されています。設定した手順に基づいて刃物の選択、加工位置、送り速度、回転速度などの工程を高精度で制御できるんです。これにより、複雑な形状の部品も安定した品質で、しかも効率的に加工できるようになりました。

近年では、コンピューター制御がさらに進化し、「CNC旋盤」と呼ばれることもあります。これは、コンピューターの力を借りて、より複雑な加工や多品種少量生産にも柔軟に対応できるようになったことを意味します。

NC旋盤の主な機械構成、種類

NC旋盤は、現代の製造業において不可欠な工作機械です。コンピューター制御による高精度な加工を可能にし、複雑な形状の部品も安定した品質で効率的に生産できます。ここでは、NC旋盤がどのように構成され、どのような種類があるのかをご紹介します。

NC旋盤の機械構成

スピンドル

スピンドルは、加工対象の材料(ワーク)をチャックと呼ばれる固定具で保持し、高速で回転させる役割を担います。 主軸とも呼ばれ、加工精度に直結する重要な部品です。

心押台

心押台は、長尺のワークを加工する際に、ワークの反対側を支持して振動を抑え、加工の安定性を高める役割があります。

刃物台

刃物台は、切削工具を取り付けて保持し、プログラムの指令に基づいてワークに沿って移動させる装置です。 NC旋盤の刃物台にはいくつかの種類があります。

  • ・フラット型
       複数の工具を取り付けられ、、工具交換を素早く行うことが可能です。    主に小型のNC旋盤に採用されています。
  • ・タレット型
       回転式の円盤状の台座に複数の工具を取り付けられます。
       プログラムによって必要な工具を自動で選択し、素早く交換できる為、    複雑な加工工程を持つ部品の生産効率を高めます。
  • ・櫛刃型
       前後左右に動くテーブルに刃物を取り付けて操作する旋盤です。

制御盤

制御盤は、NC旋盤の頭脳ともいえる部分です。NCプログラムを読み込み、各軸の動作やスピンドルの回転数などを制御し、加工全体を管理します。

周辺装置

NC旋盤には、加工を補助する様々な周辺装置があります。 例えば、自動で材料を供給する「棒材供給機」や、加工後に製品を取り出す「パーツキャッチャー」、切削時に発生する切りくずを排出する「チップコンベア」などがあり、これらを組み合わせることで、さらなる自動化や効率化を図ることができます。

NC旋盤の種類

NC旋盤には、主に次のような種類があります。

タレット式

タレットと呼ばれる回転装置に複数の刃物を取り付けられる旋盤です。 1つの作業工程完了後にタレットが回転し、連続して異なる刃物による加工が可能です。

単軸自動旋盤

単一の加工を連続して行うための旋盤です。 同じ形状の部品を大量生産したい場合に向いています。

多軸自動旋盤

主軸が複数ある旋盤です。 1つの作業で、異なる加工が同時に可能で、生産効率が高くなっています。

NC旋盤の加工に使用するCAMとは?

NC旋盤の制御にはNCプログラムが必要

先にご紹介したように、NC旋盤というのは、コンピューター制御された旋盤のことをいいます。その為、汎用旋盤のように旋盤そのものをそのまま使用することができません。NC旋盤を適切に操作するためには、NC装置に工具の選択や
加工内容などのさまざまな定義を行います。そこから指令および旋盤の制御をさせることで、はじめて稼働させることができるのです。

具体的にいうと、NC旋盤を動かすためにはNC装置のシステム上にNCプログラムをという指令コマンドを入力する必要があります。NCプログラムには、工具の移動や主軸の回転数などに関する指令が含まれており、このプログラムに沿ってNC旋盤は自動的に加工を行うのです。

NCプログラムの作成については、下記の記事もご覧ください。

NC工作機械の加工プログラムを作成するCAM

CAMとは

NC旋盤やマシニングセンタなど、NC工作機械を制御するためのNCプログラムは、機械ごとに言語やテクノロジーが違うこともあり、直接入力するためには一定の
技術や知識が必要となります。CAMは、NC工作機械の支援ソフト的な位置づけであり、CAMを活用することで、簡単にデータが出力できるようになるのです。 CADで図面設計した形状に対して、詳細な設定を行い、ツールパスと呼ばれる工具の軌跡情報を作成すれば、ポストプロセッサを使用してNCプログラムファイルを生成させることができます。

主な種類

CAMの主な種類は以下の通りです。

全自動型:大まかな設定のみで、すぐに使用可能なCAM
汎用型:加工条件を細かく設定できるCAM

CAMを使用するメリット

工具の軌跡情報をパソコン上で確認できるので、工作機械を実際に動かす前に、シミュレーションを行い、登録した指令データの軌道などを確認して干渉などの
問題を見つけることができます。

NC旋盤加工におすすめのCAM

NC旋盤加工を行うCAMの選び方

NC旋盤のNC制御装置が読み込むことができるプログラムは、メーカーや機種によって異なるケースが多いです。そのため、CAMを購入する場合には会社や工場の環境にあったものを選ぶ必要があります。使用予定のNC旋盤などの工作機械に対応しているCAMでないと、適切なプログラムを出力できないので注意が必要です。

また、自社のNC工作機械のデータだけではなく、取引先のデータも問題なく扱えるのか、しっかりと確認した上で購入する必要があるでしょう。また、加工したい形状に対応しているCAMである必要があるので、どんな加工に対応しているかも確認しておきましょう。

NC旋盤加工でFeatureCAMを使用するメリット

NC旋盤加工を行う場合、FeatureCAMというソフトウェアがおすすめです。FeatureCAMはミルや旋盤、ターンミルなど最新の機械を含め、幅広い加工機に対応しているので自社や取引先のデータにサポートしている可能性が高いでしょう。

また、フィーチャ認識という自動認識機能を有しており、1回のワークフローで穴や側面を自動認識することができるので、スピード感のあるプログラミングが実現可能です。これにより、データ作成からチェックまでの時間を大幅に短縮することができるでしょう。

FeatureCAMの製品概要

FeatureCAMの旋盤では、2D(2次元)だけではなく、フライス加工でも定義できる3D(3次元)形状に対する自動認識機能が使用できます。この機能を活用することで、外径、内径、穴などの形状を自動抽出し、加工定義を行います。 後はシミュレーションで問題ないか確認するだけです。

このように、NCデータ作成までにかかる時間を大幅に短縮することができます。

CAMを使ってNC旋盤を使いこなそう

NC旋盤は、汎用旋盤とは異なりコンピューターによって制御されています。そのため、加工の際にはNC制御装置にNCプログラムを流し込む必要があるのです。CAMは、CADなどで設計した図面データに工具情報や軌跡情報を登録することで、自動でNCプログラムに変換してくれる便利なツールです。 NC旋盤を使用する際には、自社や取引先の形式にあったCAMを選んで、NC旋盤を使いこなしてみましょう。

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