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CAMを導入するメリット|機械加工で高い生産性を実現する方法

最終更新日:2024.02.13 / 公開日:2020.02.03

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社会を作り上げているあらゆるものは、工作機械によって生み出されています。ミクロン単位のものからビルほどの大きさのあるものまで、「製品」はさまざまです。CAMはより速く、より正確にという現代のニーズに応える工程として欠かせないものとなっています。実用性に耐え、永続的に使えるものとするために、精度への要求は増すばかりです。現代のモノづくりの中で、CAMが果たす役割と導入の具体的なメリット、またおすすめのCAMシステムを紹介していきます。

CAMの基礎知識

CAMは、機械製造の現場ではすでに良く聞かれるようになっていますが、今ひとつ理解されていないというケースもあるようです。最初にCAMの基本的な知識を解説していきます。

CAMの特徴

CAMとは「Computer Aided Manufacturing(コンピュータ支援製造)」の略で、パソコン上で工作機械の加工プログラムを作成するソフトウェアを指します。モノを作る際には、CADで設計図を描くことが可能です。CAMはCADで製図した図面を基に、NC工作機械で作業するための加工プログラム(NCデータ)の作成を行います。

加工プログラムは、人間がプログラミングを作成し、工作機械に入力することも可能です。工程が複雑な場合には計算に時間がかかり、ミスの心配もあります。CAMは、自動でプログラムを作成し、工作機械に送って加工を実施してくれるのが特徴です。CAMには、大きく分けると2つの種類があります。

加工条件について詳細な設定に対応できる汎用型と、細かなカスタマイズをせずにすぐに利用できる全自動型です。このようにCAMのソフトウェアによっては得意な加工や機能が異なるため、目的に沿って自社に適したものを導入することが大切です。CAMを使用した作業の流れを見ていきましょう。

  • 1. CAMのシステムによってCADのデータの形状を確認する
  • 2. 加工の工程から使用する工具と条件を設定する
  • 3. CL計算により工具経路を作成する
  • 4. シミュレーションにより工具経路に問題がないか確認・必要に応じて修正が行われる
  • 5. NCデータに変換する
  • 6. NCプログラムを確認する
  • 7. NC機械により実加工が行われる

単機能の場合には、図面作成とNCデータの作成を別個に行いますが、CAD/CAMと呼ばれる、CADとCAMいずれの機能も兼ね備えたソフトウェアもあります。

CAD/CAMとは

CAD/CAMは製図からNCデータの作成まで一貫して行えるソフトウェアです。同一のソフト上で処理が行われるため、データの互換性による問題が発生しにくいという点がメリットです。機械にNCデータが渡されるまでには、コンピュータ上で3Dデータが作成され、そこから工作機械用のプログラムデータを作成するという2段階の工程があります。

このときCADとCAMでソフトウェアが異なっているとデータのやり取りを行うときに互換性の問題が生じてスムーズに進行できない場合もあるのです。CAD/CAMで一元的に作業を進めることにより、効率性や品質の向上につなげられます。

CAMを導入するメリット

CAMが登場する前は、工作機械のプログラミングを手動で行っていました。CAM導入のメリットを見ていきましょう。

作業の効率化を図れる

図面や工程表が紙ではなくデータとして残せるため、修正や同様の作成を行う際の作成も容易です。手作業で工作機械に入力するのに比べて、速く正確に行える、複雑な加工プログラムの作成が楽にできます。機械的に計算されるので、加工にかかる工数が算出しやすく、見積もりの作成やスケジュール調整が楽にできるでしょう。また、加工の全行程にかかる時間の目安が立てやすく、納期の把握が容易になるのもメリットのひとつです。

複雑な加工にも対応できる

自由曲面の加工や4軸加工、5軸加工など複雑なプログラムを組むのはとても大変な作業です。しかし、CAMの使用によって手作業では難しい多様な加工に対応できるようになります。作業の精度が上がり、品質向上につながるのに加え、経験の浅いスタッフでも比較的操作が容易になるため、技術者不足の解消にもつながります。

データの不具合を発見しやすい

CAMを使って作業すると、コンピュータ上で図面やモデルを確認でき、シミュレーションも簡単です。データにエラーがあった場合には、工作機械を実際に動かす前に発見することも可能となり、損害を回避できます。

CAMの導入を検討している企業におすすめの製品

CAMの導入をご検討の際、参考にしていただけるおすすめの製品をご案内していきます。

製品名 Fusion(Fusion360)

初めて導入される方にお勧めできる、低価格なサブスクリプション販売の3DCAD/CAMです。
CAD機能、アセンブリ、図面作成、レンダリング、解析、製造(CAM)といった幅広く対応している点が特徴です。製造では、2D加工、3D加工、割出し加工、旋盤、ミーリング付き旋盤、レーザー、積層に対応しています。オプションで同時4軸、同時5軸に対応します。
CAM導入リスクを懸念されている方は、Fusion(Fusion360)を検討してみてはいかがでしょうか?

製品名 FeatureCAM

2次元加工から同時5軸、複合旋盤など幅広い加工に対応したCAD/CAMです。ステップメニューの流れで簡単に素早く加工プログラムを作成できるので、CAMを初めて使用される方でもおすすめできます。さらに、3次元形状のデータがあれば、2次元加工の部分を認識してプログラムを作成します。また、サブスクリプション販売で初期導入費用が大幅に削減できるので、試しに使用してみるということが可能です。

製品名 KANA-E

2次元加工から2次元半までの加工に対応したCAD/CAMです。
画面構成や機能がシンプルにできているので、初めて使用される方におすすめの使いやすいソフトウェアです。簡単な加工しかしていないといった場合でも、素早く対応ができます。
買取、サブスクリプション販売の両方に対応しているので、お好みの導入方法を選べます。

製品名 FFCAM

工作機械メーカー「牧野フライス製作所」が高精度・高品質をコンセプトに開発した、3次元加工に特化した金型向けCAMです。
3次元形状データがあれば、工具を選ぶだけで3次元の加工プログラムを作成することができます。

CAM導入は人材不足と効率化向上のきりふだ

CAMはCADで作成した図面を加工用のNCデータへと変換し、プログラムの作動を的確に行うための工程です。工作機械による生産準備全般をコンピュータ上で行えるので、時間が大幅に節約でき、技術者不足の解消にも貢献します。人手による入力よりも精度が高く、シミュレーションにより不具合を事前に回避可能です。メリットが多いCAMの導入は、将来をみすえるうえでも、ぜひ実現に向けて取り組みたい課題といえるでしょう。

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